掲載日:2025年07月18日

中東研ニューズリポート

シリア南部スウェイダー県の治安悪化と騒乱:これまでと現況

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概要


 シリア南部のスウェイダー県では、アフマド・シャルア大統領率いるシリア移行政府の主権が確立しておらず、地元の武装勢力・諸組織の方針が一致していないこともあり、治安が不安定な状況にある。シリア移行政府は支配領域でのドルーズ派(イスラーム少数宗派)住民などマイノリティに対する暴力や国防・治安維持能力への危惧を払しょくできずにおり、ドルーズ派住民が多数居住し、アサド政権崩壊時(後に移行政府を樹立した)軍事作戦管理部とは別にアサド政権からの解放を宣言したシリア南部の諸勢力との統合交渉も妥結には至っていない。7月に入ってスウェイダー県の治安は一気に悪化した。地元のアラブ部族民とドルーズ派武装集団との衝突が拡大して騒乱状態になっており、シリア移行政府国防軍の進攻、イスラエルによる空爆も加わり、多数の死者が出ている。・・・

執筆者

柳谷 あゆみ

地域・テーマ

シリア

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