堀拔 功二 (ほりぬき こうじ)

研究主幹

専門分野・担当国

UAE、カタル、オマーンを中心とするアラビア半島諸国の政治・社会動態、安全保障の研究

紹介

大学に入学した2001年に米国同時多発テロ事件(9・11)が起こり、テレビのなかで崩れる世界貿易センタービルの映像に大きな衝撃を受けました。この事件をきっかけに中東・イスラーム地域への関心を深め、一年間のUAE大学への留学を経て大学院に進学。大学院ではUAEの政治・社会システムを研究しました。大学院進学当時、日本の中東研究業界ではUAEを含む湾岸諸国は比較的「ニッチ」な分野でした。ところが、湾岸諸国は非常に勢いのある成長を遂げており、研究テーマもたくさん残されていたことから、面白い研究対象に出会えたと思っています。これまで君主体制の持続性やナショナル・アイデンティティの変容、国際労働力移動と外国人労働者問題、湾岸諸国の外交戦略、日本と湾岸諸国の関係など、幅広い関心をもって研究に取り組んできました。

2010年12月に日本エネルギー経済研究所中東研究センターに入所。研究対象をカタルやオマーンにも広げ、経済・エネルギーを含む情勢分析も手掛けています。2016年にはカタル大学人文学部ガルフ・プログラムの客員研究員を務めました。

共編著にAsian Migrant Workers in the Arab Gulf States: The Growing Foreign Population and Their Lives(Brill, 2019)があります。最近の論文には「なぜ男性移民は社会から排除されるのか?――UAEとカタルにおける人口男女比の不均衡がもたらす政治社会問題――」(錦田愛子[編]『政治主体としての移民/難民――人の移動が織り成す社会とシティズンシップ』明石書店, 2020年, pp. 260-279)、「カタル危機におけるパブリック・ディプロマシーの展開」(『立命館国際研究』31巻5号, pp. 143-160)などがあります。このほか学術論文や解説記事の発表、学会やセミナー報告、メディア取材の実績など多数あります。教育歴としては、2013年から東京外国語大学(非常勤)で湾岸諸国の政治・社会・経済・エネルギーの講義を受け持っています。

2006年に立命館大学国際関係学部卒業、2011年に京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。博士(地域研究)。

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