私は大学院でイラン近現代史を学び、2年間のイラン留学を終えてからは、フリーランスとして4年あまりイランで教育や翻訳、著述などに携わってきました。
私にとって、イランについて考えることは、国家とは、宗教とは、歴史とは、そして人間とは何か考えることです。知れば知るほど日本や世界についても普遍的な問いを投げかけてくる国、それがイランだと思っています。
現在のイランはシーア派イスラームの教義に基づく国とされていますが、1979年の革命以前には世俗的な近代国家を目指した時代があり、さらに歴史をさかのぼればスンナ派が支配的な時代や、ゾロアスター教を奉じる古代ペルシアの時代もありました。
そうした中で培われてきた高度な学術と豊かな文学や芸術は、今を生きるイラン人の民族的プライドとアイデンティティの拠り所となっています。そして、この歴史の重層性と誇り高き国民性は、現代イランの政治、経済、社会にも無視しがたい影響を及ぼしている、というのが私の考えです。
日本エネルギー経済研究所中東研究センターでも、以上のような知見を生かしながら、イランの経済・エネルギー政策を中心に、正確で深みのある分析に努めています。
2014年 慶應義塾大学大学院文学研究科(東洋史学分野)博士課程単位取得退学
2025年 日本エネルギー経済研究所中東研究センター入所(主任研究員)
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