リポート
イスラエル・レバノン:米国の仲介で10日間の停戦合意が成立(2)
前便(イスラエル・レバノン:米国の仲介で10日間の停戦合意が成立(1))では、今回の停戦合意の内容と、それに対するイスラエル・ヒズブッラーの反応を取り上げた。本ニューズリポートでは、この停戦の継続・恒久化に向けた課題と、イラン戦争への影響を含む今後の見通しを論じる。・・・
前便(イスラエル・レバノン:米国の仲介で10日間の停戦合意が成立(1))では、今回の停戦合意の内容と、それに対するイスラエル・ヒズブッラーの反応を取り上げた。本ニューズリポートでは、この停戦の継続・恒久化に向けた課題と、イラン戦争への影響を含む今後の見通しを論じる。・・・
サウジアラビアのムハンマド皇太子が会長を務める公的投資基金(PIF)の取締役会が4月15日、同基金の2026~2030年戦略を承認した。この戦略の下、PIFは投資を「ビジョン・ポートフォリオ」、「戦略ポートフォリオ」、「財務ポートフォリオ」という3つのポートフォリオに再編し、観光などを含めた6つの競争力のある国内産業を構築しようとしている。それと同時に投資リターンの拡大も掲げており、放漫な投資ではなく、より現実的で堅実な投資をしていこうという姿勢が感じられる。・・・
4月11日、イラク議会は新大統領を選出した。昨年末の国会議長選出以来、膠着していたイラクの組閣プロセスが一歩前進となった。憲法上、新大統領は選出後15日以内に首相候補を指名することになっているが、現時点では首相候補は未定である。・・・
2月末からの米・イスラエルによるイランへの攻撃は、各種の産業施設にも及んだ。3月下旬以降には、複数の製鉄所や石油化学工場、及び、それらに電力、蒸気、工業用水を供給する施設が攻撃を受け、多くが稼働停止に陥った。鉄鋼産業や石油化学産業は、関連産業への波及効果が大きく、外貨獲得の面でも重要な役割を果たしている部門である。・・・
2月28日に始まったイスラエルと米国のイラン攻撃(以下「イラン戦争」)は、GCC経済に影響を与えている。4月8日、世界銀行は「中東北アフリカ地域の経済見通し」(注)を発表した。同報告から地域経済の現状を概観する。・・・
米国のトランプ大統領は4月8日、イランとの停戦合意を発表した。国際社会がこの動きを歓迎する一方で、イランから湾岸諸国に対する攻撃や、ホルムズ海峡の実質的封鎖は続いている(坂梨祥「米・イラン停戦合意は早々に危機に直面」中東研ニューズリポート2026年4月9日配信参照)。合意をめぐっては様々な疑問が呈されており、停戦の実現には程遠い状況が続く可能性が高い。・・・
米国とイランとの間で4月8日に合意された停戦合意(米国東部時間では4月7日)を受け、イスラエルもイランへの攻撃を停止した。だがレバノンのヒズブッラーに関しイスラエルは、停戦合意の対象ではないとして攻撃を続けており、イランは強く反発している(坂梨祥「米・イラン停戦合意は早々に危機に直面」中東研ニューズリポート2026年4月9日配信参照)。・・・
4月8日に米・イラン間の停戦が発表されて以降も、イラン戦争の当事者間およびその周辺では様々な攻撃が発生し続けている。特に、イラン側が全ての戦線での攻撃停止を停戦の条件と位置付けているのに対し、イスラエルが「米・イラン停戦合意とは無関係」であるとしてレバノンへの攻撃を続けていることが、停戦の発効自体を危ぶませている。・・・
4月8日、米国とイランは2週間の停戦に合意した。アラーグチー外相は自らのSNS(X)において、「イラン・イスラーム共和国を代表し」、パキスタンへの謝意を表明するとともに、「イランの国家安全保障最高評議会(SNSC)を代表し」、以下のように発表した。・・・
2026年4月5日、OPEC(石油輸出国機構)プラス(以下OPEC+)8カ国(サウジアラビア、ロシア、イラク、UAE、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン)はオンライン会合を開催し、2026年5月に、日量20.6万バレル(b/d)の増産を実施することを決定した。・・・
イスラエルの2026年国家予算が3月30日未明、国会で成立した。法律の規定で3月31日までに成立しなければ、国会が解散・総選挙となる最終期限のわずか2日前というぎりぎりの国会通過だった。早期解散にならない限り、総選挙は任期満了となる10月27日までに実施されることになる。・・・
概要 レバノン外務省は3月24日、レバノン駐在のイラン大使モハンマド・レザー・シェイバーニーに対するペルソナ・ノン・グラータを宣言し、週末29日までに国外へ退去するように命じた。加えて、レバノンの駐イラン大使の召還も行ったとした。このような動きはレバノン政府が月初のヒズブッラーの軍事活動禁止決定に続き(渡邊駿「イラン危機とイスラエル北部戦線:ヒズブッラーの動向」中東研ニューズリポート2026年3月3日配信参照)、ヒズブッラーとイランに対する対決姿勢を一段強めたものと解釈することができる。・・・
ホルムズ海峡が実質的に封鎖されて以降、ペルシャ湾の奥地に位置するイラクは石油輸出ルートを失っていたが、3月18日にはトルコ経由のパイプライン(P/L)輸出を再開した。しかし、その量は20万b/d前後で、戦争開始前の輸出水準(350万b/d程度)には遠く及ばない。輸出P/L自体の容量には余裕があるが、国内P/L網が未整備ゆえ、これ以上輸出量を増やすのは難しい状況である。・・・
3月12日、イラン国営メディアは、9日に新最高指導者に選出されたモジュタバー・ハーメネイー師(坂梨祥「イラン:モジュタバー・ハーメネイー師を次期最高指導者に選出」中東研ニューズリポート2026年3月9日配信参照)の声明とされるものを発表した。タスニーム通信が報じたその全文からは、この声明には体制の新体制をめぐる様々な意見が盛り込まれている様子がうかがえる。この声明には「ホルムズ海峡の封鎖という手段も引き続き使用されるべき」といった軍事作戦に関する具体的な指示も含まれており、先代のハーメネイー最高指導者の声明とは趣を異にするものとなっている。・・・
トルコ国営ハルクバンクは3月9日、対イラン制裁違反事件をめぐり、米国司法省と和解に達したと発表した。ハルクバンクは2012年から2016年にかけて、米国の制裁を迂回してイランに石油および天然ガスの購入代金およそ200億ドルを不正に送金したとされる。トルコ政府はこれまで一貫して疑惑を否定し、2019年に始まった同行に対する裁判を取り下げるよう米政府に働きかけていた。今回の和解により、長年米トルコ関係の懸案となってきた問題が事実上決着することとなった。・・・
燃料小売価格引き上げの実施 2026年3月10日、エジプト石油省は、ガソリン、軽油、車両用天然ガスなど主要燃料の小売価格の引き上げを実施した。今般の値上げによって、オクタン価95のガソリンはEGP21/ℓからEGP24/ℓ、オクタン価92はEGP19.25/ℓからEGP22.25/ℓ、オクタン価80はEGP17.75/ℓからEGP20.75/ℓへ上昇した(EGP1≒JPY3)。軽油の小売価格はEGP17.5/ℓからEGP20.5/ℓ、車両用天然ガスはEGP10/㎥からEGP13/㎥へ値上げされた。また、家庭用のプロパンガス小売価格は1本12.5kgがEGP225からEGP275、1本25kgがEGP450からEGP550への値上げとなった。昨年10月17日以降の燃料費小売価格の値上げである。・・・
米・イスラエルとイランの軍事衝突の激化は、中東にとどまらず東地中海の安全保障環境にも影響を及ぼし始めている。その中で、分断状態にあるキプロス島でも新たな動きが出ている。・・・
イスラエルも爆弾使用を節約か 米国とイスラエルによるイラン攻撃の終わりは見えない。ただ3月9日、トランプ大統領は米CBSに対し、攻撃のスケジュールは「想定よりずっと早い」として、「戦争はほぼ終わった」と発言した。この発言を受けてニューヨーク株式市場でダウ平均株価が大きく上昇し、逆に原油先物市場は大幅に下落した。・・・
3月9日、イランの国営メディアは、2月28日に米国とイスラエルの攻撃によって殺害されたアリー・ハーメネイー最高指導者の後継者に、同師の次男であるモジュタバー・ハーメネイー師が選出されたと報じた。・・・
イラン・クルド イスラエル・米国による軍事攻撃が始まる前の2月22日、5つのイラン・クルド組織が「イラン・クルディスタン政治勢力連合(CPFIK)」を立ち上げた。その後3月4日に、戦闘組織の指揮系統の統一と今後の具体的なプログラムの作成を先行させるべきとの理由から参加を保留していたイラン・クルディスタン・コマラが、急展開する事態に対応するためとして正式な参加を表明し、クルド反体制派の主要6組織が揃う組織となった。いずれの組織も本部をKRIに置き、小規模ながら軍事部門を持つ。・・・