中東分析・刊行物
リポート
ドーハのハマース幹部攻撃(2):カタル側の視点を中心に
イスラエル軍は9月9日(ドーハ現地時間午後3時ごろ)、カタルの首都ドーハにあるハマース幹部が住む住居を攻撃した。ドーハにはハマース政治局が在外拠点を構えており、そこに滞在する幹部と交渉団を標的にした攻撃であったと見られている。標的となったハマース幹部は被害を免れたものの、他のハマース関係者やカタル治安部隊隊員を含む6名が死亡した。ハマースとイスラエルの間でガザ停戦と人質解放にむけた交渉が停滞していたが、この攻撃により事態は一層複雑化することになる。・・・
リポート
トルコ:2026~2028年の経済中期計画を発表、インフレ抑制を重視
トルコのユルマズ副大統領は9月8日、2026~2028年を対象とする経済中期計画を発表した。中期計画は今後3カ年の経済政策をまとめたもので、毎年更新されている。今回の計画では、インフレ抑制と財政規律の維持を最重要課題に掲げ、経済のグリーン化やデジタル化、農業の生産性向上なども盛り込まれた。・・・
リポート
イラク:イスラエル人研究者が約2年半ぶりに解放
2023年3月にバグダードで行方不明となっていたイスラエル人研究者のエリザベス・ツルコフ氏(ロシア国籍、米市民権も保有、プリンストン大学院生)が、9月9日に解放された。米国大使館で安全が確認されたと、トランプ大統領がSNSで発表した。ツルコフ氏は博士論文のための現地調査中に消息を絶ち、その後も生存を示す映像が時折公開されていた。・・・
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ドーハのハマース幹部攻撃(1):イスラエル側の視点を中心に
トランプ停戦案を協議中の幹部が標的に イスラエル空軍は9月9日午後、カタルの首都ドーハで会議中のハマース指導部を空爆した。会議には停戦交渉のハマース側代表団の中心ハリール・ハイヤ氏やヨルダン川西岸責任者ザヘル・ジャバリン氏、元政治局長のハーリド・メシャアル氏ら、カタルを拠点とするハマース幹部が参加していたといわれる。・・・
リポート
レバノン:政府によるヒズブッラー非武装化要求の強まり
レバノン内閣は9月5日、レバノン国軍からヒズブッラー非武装化案を受け取り、これを議論した。閣議後、内閣はこの提案を歓迎する声明を発した。ただし、この提案には、国軍の能力の限定性を理由に実施のタイムラインは示されていなかったと報じられているほか、ヒズブッラーはこれを断固拒否する姿勢を示している。ヒズブッラー・イスラエル衝突、シリア・アサド政権の崩壊、イスラエルのイラン攻撃といった直近の展開はヒズブッラーに大きな打撃を与え、政府によるヒズブッラーの非武装化要求という新たな動きを生み出している。・・・
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サウジアラビア:皇太子が仏大統領と「二国家解決会議」を共催へ
フランスのマクロン大統領は9月3日にサウジアラビアのムハンマド皇太子と電話会談し、国連総会ハイレベルウィーク初日の9月22日に、ニューヨークの国連本部でイスラエル・パレスチナ紛争の二国家解決を目的とした会議を同皇太子と共催すると発表した。両国は既に7月28日から30日にかけて国連本部で二国家解決に関する閣僚級会議を共催していた。フランス、英国、カナダなどは今月パレスチナの国家承認を行う予定であり、日本も9月22日に立場を表明すると報道されている。他方、米国は8月29日にパレスチナ当局者へのビザ発給拒否を発表するなど、この動きに正面から反対している。・・・
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トルコ:イスタンブール県大会をめぐる司法判断とCHPの危機
トルコの裁判所は9月2日、最大野党・共和人民党(CHP)が2023年に開催したイスタンブール県大会で投票上の不正があったとして、大会で選出されたオズギュル・チェリク県支部長および県執行部の役員4人を職務停止処分とした。その上で裁判所はCHPの元国会議員を暫定支部長に指名したが、CHPはこの措置を「エルドアン政権の影響下にある司法のクーデターだ」と強く反発している。・・・
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OPECプラス、10月も減産緩和を継続
2025年9月7日、OPEC(石油輸出国機構)プラス(以下OPEC+)8カ国(サウジアラビア、ロシア、イラク、UAE、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン)は、オンライン会合を開催し、10月に日量13.7万バレル(b/d)の増産を実施することを決定した。・・・
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トルコ:エルドアン大統領が上海協力機構首脳会議に出席
トルコのエルドアン大統領は、ロシアと中国が主導する新興国の協力枠組みである上海協力機構(SCO)の首脳会議に出席するため、8月31日から二日間、中国・天津を訪問し、習近平国家主席やプーチン大統領らと相次いで会談した。大統領にはフィダン外相、ギュレル国防相、バイラクタル・エネルギー天然資源相、カルン国家情報機構(MIT)長官らが同行した。・・・
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ガザ戦争:イスラエルの軍事作戦継続と浮上した「戦後」再開発計画案(上)
イスラエルはハマースとの停戦交渉に応じないまま、ガザ市制圧に向けた作戦を拡大するとともに、同市やその周辺にいる約100万人の避難民を南部に強制退去させる働きかけを強化している。そうした中、ネタニヤフ首相とトランプ大統領が関係していると見られるガザの「戦後」再開発案が報じられた。案はガザ住民の「自発的な外部移住」を推進し、信託組織がガザの再開発を担うとしている。底流にはガザ・リビエラ構想が透けて見える。・・・
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ガザ戦争:イスラエルの軍事作戦継続と浮上した「戦後」再開発計画案(下)
GREAT信託がガザ行政を担当 ガザの「戦後」再開発計画案はワシントンポスト紙(インターネット版)が8月31日に報じた。記事にはスライド38枚からなる計画案全文も添付されている。計画案は「ガザ改造・経済推進・変容信託(Gaza Reconstitution, Economic Acceleration and Transformation [GREAT] Trust)」との名称で、「破壊されたイランの代理人から、繁栄するアブラハム(合意)の同盟に」という副題がついており、アブラハム合意をかなり意識している。・・・
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イエメン:イスラエルの攻撃でフーシー派首相らが死亡
イエメンのフーシー派の大統領府が8月30日に声明を発出し、同派が主導する「変革と建設政府」(以下、政府)のアフマド・ガーリブ・ラフウィー首相が、他の閣僚らとともに死亡したと発表した。8月28日に首相らが参加する政府の定例ワークショップが開催されていた時に、イスラエルが攻撃したとのこと。同派の最高政治評議会マシャート議長(大統領)は、ムハンマド・ミフターフ第一副首相を暫定首相に任命、また自身のSNS(テレグラム)に「我々は必ず復讐」すると投稿した。・・・
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イラン:英独仏は「スナップバック条項」を発動
8月29日、英独仏の3カ国(E3)は、対イラン安保理制裁を復活させるための手続きを開始した。具体的には、国連安全保障理事会に「イランによる核合意違反」を通知し、今後30日以内に、核合意に基づき解除されていた対イラン国連安保理制裁が復活する(スナップバックと呼ばれる)可能性が高まった。・・・
リポート
イラン:スナップバックの影響と回避策
英独仏の3カ国(E3)は現在イランに対し、スナップバック(対イラン国連安保理制裁の復活)を盾に大幅な譲歩を迫っている。E3が定めた「譲歩の期限」が8月末に迫る中、8月26日にはスイスのジュネーブでE3とイランの外務次官級協議が実施されたが、具体的な成果は得られなかった。本ニューズリポートは、スナップバックが発動された場合の影響と、スナップバックの回避策を整理する。・・・
リポート
イラン:家計と家計支援策の動向
2024年度家計調査の発表 イラン統計センターが毎年実施している家計調査の2024年度(2024年3月20日~2025年3月20日)版が8月17日に発表された。同センターのウェブサイトにアクセスできない状態が続き、原典を確認できていないが、報道によると、収入(可処分所得)が都市世帯で34億リアル(同年度平均の市場レート換算で5,700ドル)、農村世帯で20億リアル(3,500ドル)であった一方、支出は都市世帯が27億リアル(4,500ドル)、農村世帯が14億リアル(2,400ドル)であった。収支とも、農村世帯の収入を除き、前年度を実質で下回った。ちなみに、イランの1世帯あたりの平均人数は、2021年度の推計で、都市世帯3.13人、農村世帯3.36人とされている。・・・
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イラン:国会と政府がデノミを検討
高インフレの続くイランでデノミ(通貨切り下げ)に関する議論が活発化している。デノミはこれまで幾度も検討されてきたが、このタイミングで政治日程に上ってきた背景には、インフレの悪化のみならず、制裁解除後を見越した思惑もあると考えられる。・・・