リポート
イラン:サウジとの合意を経て活発化する対外関係とJCPOAへの影響
3月15日、イランの国家安全保障最高評議会(SNSC)の通信社『ヌール・ニュース』は、シャムハーニーSNSC事務局長が16日、UAEを訪問予定であると報じた。タフヌーン・ビン・ザーイド国家安全保障局顧問の招待を受けてのことであるという。タフヌーン氏は2021年12月、イランを訪問し、ライースィー大統領およびシャムハーニーSNSC事務局長と会談を行っていた。・・・
3月15日、イランの国家安全保障最高評議会(SNSC)の通信社『ヌール・ニュース』は、シャムハーニーSNSC事務局長が16日、UAEを訪問予定であると報じた。タフヌーン・ビン・ザーイド国家安全保障局顧問の招待を受けてのことであるという。タフヌーン氏は2021年12月、イランを訪問し、ライースィー大統領およびシャムハーニーSNSC事務局長と会談を行っていた。・・・
2023年2月13日、国連はイスラーム国(IS)・アルカイダに関する報告書において、サイフ・アル=アデルがアルカイダの事実上の指導者となったとの認識を示した。米国国務省もこの見解を支持すると発表している。一方、アルカイダは未だに新しい指導者の発表を行っておらず、2022年7月末のザワーヒリーの死も認めていない。本年2月21日頃、アルカイダは近々重要な声明を発出するとの予告を行い、後継者発表があるかとの疑念を抱かせたが、結局はトルコ・シリア大地震への追悼声明、ソマリアでの米国およびその同盟国によるアル=シャバーブに対する攻撃への非難声明の発出に留まった。この状況はどのように考えればよいのだろうか。・・・
イスラエル軍からも反対の動き イスラエルの司法制度改革の動きをめぐり、政治的、経済的な混乱がさらに拡大している(1月16日付け「イスラエル:発足当初から物議をかもすネタニヤフ政権」参照)。3月11日には、週末としては10週連続となる大規模な集会やデモがイスラエル各地で行われ、主催者の発表によると、全国で約50万人が参加した。反対の動きはイスラエル軍にも広がっており、3月初めには予備役のエリート空軍パイロットが訓練への参加拒否を表明した。参加拒否の意向はその後、取り下げられたものの、政治と軍のあり方に大きな衝撃を与えた。・・・
3月11日付中東研ニューズリポート(近藤重人「サウジアラビアとイランが国交回復へ」)で既報のとおり、3月10日、イランとサウジアラビアは、中国の仲介により国交回復に合意した。イラン、サウジアラビア、中国の3か国が発表した共同声明には、両国間の対話を主催してきたイラクとオマーンへの謝意も盛り込まれているが、イランのメフル通信などの報道によれば、北京での協議に参加したシャムハーニー国家安全保障最高評議会(SNSC)事務局長は合意の発表直前に、イラクのスーダーニー首相と電話で会談し、「イラクが5回にわたるイランとサウジアラビアの対話の場を提供してきたこと」に対し、直接謝意を表明した。一方でイランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、同10日、イラクに加えカタルおよびオマーンの外相からも、この合意への祝意を伝える電話を受けたと明らかにした。・・・
サウジアラビア、イラン、中国の3か国は3月10日、サウジアラビアとイランが2か月以内に外交関係を回復することなどを含む合意に達したと発表した。3月6日から3月10日にかけて北京でサウジアラビアのエイバーン国務相、イランのシャムハーニー国家安全保障最高会議事務局長が、中国の王毅中国共産党中央外事工作委員会弁公室主任(前外相)の仲介のもとで会談し、合意に至った。・・・
オースティン国防長官のエジプト訪問 3月8日、オースティン米国防長官はカイロに到着した。空港ではエジプト軍高官が到着を出迎えた。同長官は中東諸国歴訪中であり、エジプトはイラク、ヨルダンに次ぐ3ヶ国目である。なお、エジプトの次の訪問国はイスラエルであった。・・・
次期大統領・議会選挙をめぐり、トルコの野党6党は3月6日、最大野党で中道左派の共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首を大統領選統一候補に擁立すると発表した。大統領選は現職で与党公正発展党(AKP)党首を務めるエルドアン大統領とクルチダルオール氏の一騎打ちになる可能性が高い。・・・
最低賃金の改定 3月2日、スィースィー大統領は公務員の最低賃金改定を発表した。これまでの月額3,000ポンド(EGP)から3,500ポンドへの増額である(1エジプト・ポンドは約4.5円)。また、低所得者対象の免税措置の上限額は年収24,000ポンドから30,000ポンドへ引き上げられる。さらに、年金受給者への給付額は15%の増額となり、生活困窮家庭への「タカーフル・ワ・カラーマ」(日本の生活保護制度に類似)の支給も25%増額となる予定である。これらの決定は今年4月1日付で施行される。・・・
カタルのタミーム・ビン・ハマド首長は3月7日、ハーリド・ビン・ハリーファ・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール・サーニー首相兼内相の辞任を承認し、ムハンマド・ビン・アブドゥルラフマーン・アール・サーニー副首相兼外相(42)を新首相に任命した。ハーリド首相は2020年1月に同職に任命され、3年間にわたりタミーム首長を内政面で支えてきた。辞任の理由については明らかにされていない。これに伴い、新内閣を立ち上げ、新任閣僚の宣誓式が行われた。新内閣は首相と内相のみ交代され、エネルギー担当国務相を含むその他の閣僚は留任した。・・・
2021年12月に予定されていたリビアの大統領選挙は、選挙ルールについての論争に決着がつかず、直前に中止され、その後はリビア東部の代表議会(HOR)と首都トリポリの国家高等評議会(HCS)との間で選挙の憲法上の根拠についての協議が行われた。しかし、1年以上が経過しても、結論が得られず、選挙実施の目途が立たないため、リビア問題担当のバティリー国連事務総長特別代表は2月27日、国連安全保障安保理事会でのブリーフィングにおいて、リビアの政治組織の代表者、主要な政治家、部族指導者、治安関係者、市民組織等の代表者で構成される高レベルな運営委員会を設置し、年内の選挙実施を目指す構想を発表した。・・・
サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは、フランスのルノーと中国の吉利(Geely)グループが設立する合弁企業(JV)に出資する見通しになった。3月2日付のサウジアラムコのプレスリリースによると、同社は浙江吉利控股集団(Geely Holding)および同グループの自動車メーカーである吉利汽車(Geely Automobile Holdings)と、ルノー・グループが共同で設立する自動車用パワートレイン(エンジン、トランスミッションなど車の動力源と動力伝達装置)製造会社の株主になる意思を示す意向表明書(letter of Intent)に署名した。・・・
3月3日から4日にかけて、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長はイランを訪問し、ライースィー大統領、アミールアブドッラーヒヤーン外相、およびエスラーミー原子力エネルギー庁(AEOI)長官と会談を行った。グロッシ氏は4日夜、ウィーンに戻り記者会見に臨み、今回の訪問ではイランとの間で「非常に具体的な協力の道筋」に合意できたと発表し、訪問の成果に満足の意を表明した。・・・
「関係改善外交」を推進するエジプト スィースィー政権は2013年のクーデタ直後から、サウジアラビア・UAE・クウェート・バハレーンなど湾岸諸国との友好関係を軸に域内外交を推進してきた。一方、ムスリム同胞団出身のムルスィー政権と親密な関係を保っていたトルコ・カタルとの関係は冷却化し、カタルとは外交関係断絶にまで至った。また、2011年から内戦状態へ陥ったシリアについては、アサド政権に批判的な立場をとったため、エジプト・シリア関係は冷却化した。しかし、近年はこれら域内3ヶ国との関係改善へと大きく舵が切られている。この「関係改善外交」の流れを反映する動きが、シュクリー外相のシリア・トルコ訪問、マドゥブーリー首相のカタル訪問でさらに顕著となった。・・・
イスラエル政府とパレスチナ自治政府(PA)代表は2月26日、ヨルダンのアカバで治安問題などに関する会議を開いた。しかし入植活動の一時凍結合意についての解釈の相違が、会議終了直後に表面化した。同じ26日、ヨルダン川西岸北部でテロや襲撃事件が相次ぎ、暴力の連鎖は止まりそうにない。・・・
ロシアのウクライナ侵攻開始から1年に当たる2月24日、米国の財務省はロシアに対する新たな経済制裁措置を発表した。このうち金融分野では、これまで制裁対象のリストに入っていなかったロシア系の銀行11行を制裁対象に加えた。アラブ首長国連邦(UAE)で銀行免許を取得したばかりのMTS Bank(2月24日・中東研ニューズリポート、脇祐三「UAE:目立つロシアのプレゼンス」参照)も、今回の制裁対象リストに含まれている。英国の財務省も同日、MTS Bankを含む複数のロシアの銀行を追加制裁の対象とした。・・・
概容 シリアは、バッシャール・アサド政権による反体制運動武力鎮圧によって2011年11月にアラブ連盟資格を凍結されてから12年目を迎えた。その間、アラブ首長国連邦による駐シリア大使館の再開(2018年12月)やシリア観光相のサウジアラビア訪問(2021年5月)などアラブ諸国との関係回復に向けた動きは見られたものの、連盟資格回復の可能性が言及されていた2022年11月のアラブ連盟サミット(アルジェリア開催)にシリアは出席せず、連盟資格は凍結されたままでいる。・・・
兵器見本市にロシア企業が多数出展 2月20日から24日まで、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開かれた国際兵器見本市「IDEX 2023」に、ロシアの軍需企業が多数出展した。弾薬、ライフル銃から戦車、防空システムに至るまで、ロシア企業が展示した兵器や装備品は200点を超えた。米国の通信社ブルームバーグによると、ロシアの国営企業Rostec社のトップは「展示した製品のほとんどは(ウクライナでの)実戦でテスト済み」と説明したという。・・・
2月6日に起きた地震を受けて、トルコでは大統領・議会選挙の延期論が浮上している。延期には憲法改正が必要となるが、野党は延期に反対しており、今後の政治日程に不透明感が増している。・・・
ヨルダンのアイマン・サファディー外相が2月15日にシリアを訪問し、シリアのアサド大統領、メクダード外相と会談した。シリア内戦開始以来初めてのヨルダン高官によるシリア訪問となった。・・・
2月14日、イランのライースィー(以下、ライシ)大統領は中国を訪問し、習近平国家主席と会談した。イランのメディア『アスレ・イラン』の報道によれば、ライシ大統領にはアミールアブドッラーヒヤーン外相のほか、ハーンドゥーズィー経済・財務相、バズルパーシュ道路・都市開発相、オウジー石油相、サーダーティーネジャード農業聖戦相、ファーテミーアミーン鉱工業商業相、ファルズィーン・イラン中銀総裁、バーゲリー=キャニー核交渉担当官らが同行した。・・・