リポート
イラン:イスラエルが石油・ガス関連施設を攻撃
6月13日に始まったイスラエルによるイラン攻撃から3日が経ち、両国は事実上の交戦状態に入っている。これまで要人殺害や核施設への攻撃を繰り返してきたイスラエルは14日、初めてイラン各地の石油・ガス関連施設を標的とする攻撃を行った。エネルギー等インフラに関わる施設の破壊は市民生活に直接的な影響を及ぼす可能性がある。・・・
6月13日に始まったイスラエルによるイラン攻撃から3日が経ち、両国は事実上の交戦状態に入っている。これまで要人殺害や核施設への攻撃を繰り返してきたイスラエルは14日、初めてイラン各地の石油・ガス関連施設を標的とする攻撃を行った。エネルギー等インフラに関わる施設の破壊は市民生活に直接的な影響を及ぼす可能性がある。・・・
イラン現地時間の6月13日未明に発生したイスラエルによる対イラン攻撃について、徐々にその全容が明らかになってきた(坂梨祥「【速報】イスラエルはイランを空爆」、立山良司「イランの核施設などへの攻撃:イスラエルの動向を中心に」中東研ニューズリポート2025年6月13日配信参照)。イラン側から報復攻撃として100機のドローンを発射したとする報道もあり、事態のエスカレーションは避けられないだろう。本稿では、イスラエル・イラン衝突の影響を大きく受ける湾岸諸国の反応についてまとめる。・・・
6月13日未明、イスラエルはイランの空爆に踏み切った。イスラエルの政府関係者はイラン・インターナショナルに対し、「今日の攻撃は『イランの軍関係者、および体制幹部の自宅をねらったもの』であった」と語っており、SNS上ではテヘラン北部の集合住宅が炎上する動画も共有されている。・・・
6月13日に発生したイスラエルによるイランへの攻撃は、イラクにも大きな影響を与えることが避けられない。すでに空港が閉鎖されており、現時点では再開の目処が立っていない。今後予想されるイランの反撃とともに、イラクのシーア派民の行動も注目される。・・・
ナタンツの濃縮施設や革命防衛隊本部などを攻撃 イスラエルは6月13日未明、イランの核施設などを攻撃したと発表した(坂梨祥「【速報】イスラエルはイランを空爆」中東研ニューズリポート2025年6月13日配信参照)。攻撃対象や規模などの全容は明らかになっていないが、これまでのイスラエルやイランからの発言や報道によれば、テヘラン、ナタンツ、イスファハーン、アラーク、ケルマンシャーなどが攻撃されたとされる。またイスラエル軍報道官は声明で、イラン全土の数十の標的に「精密で統合的な先制攻撃」を行ったと述べた。・・・
6月12日未明より複数のメディアが、トランプ政権はイラクに駐在する米国人外交官およびバハレーンやクウェートを含む中東諸国からの米軍関係者の「退避を認めた」と報じている。米CBSテレビが「イスラエルがイランに対する作戦を開始する準備を完了した」と報じ、中東地域で緊張が高まる中、「米国政府関係者およびその家族の安全を守る」ことがその目的であるという。・・・
概要 2025年5月13日に米国のドナルド・トランプ大統領は訪問先のサウジアラビアで対シリア制裁解除の方針を明言し、翌14日には非公式ながらシリアのアフマド・シャルア移行政府大統領(以下、シャルア大統領)と会談を行った。トランプ大統領はシャルア大統領に対し、イスラエルとの国交正常化、外国人テロリストをシリアから退去させ、IS(ダーイシュ)の再興阻止のため米国に協力することを提案したと報じられている。トランプ大統領の発言を受け、米国国務省・財務省では対シリア制裁解除を進め、欧州連合(EU)・日本も制裁の解除を開始した。・・・
2025年5月31日、OPEC(石油輸出国機構)プラス(以下OPEC+)8カ国(サウジアラビア、ロシア、イラク、UAE、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン)は、オンライン会合を開催し、7月の減産緩和幅を日量41.1万バレル(b/d)とすることを決定した。・・・
ネタニヤフ首相の次期長官指名に法務長官が待った イスラエル国内と占領地を担当している治安機関シンベト(総合保安庁)長官の人事をめぐるネタニヤフ首相の一連の決定が、首相自身の利益相反問題とも絡み複雑化している。・・・
イランでは先週以来、トラック運転手、農業者、製パン業者等による抗議やストが行なわれ、全国規模に拡大している。各業界の要求はイラン経済の抱える本質的問題に根差しているため、世論の一定の支持を集めており、政府が対応を誤れば問題が拡大ないし長期化する恐れもある。・・・
5月17日にバグダードで第34回アラブ連盟首脳会議(アラブ・サミット)が開催された。イラク戦争後では2012年以来2回目となった。会議自体はつつがなく終了したが、バグダードを訪れた首脳の人数は少なく、イラク政府にとって期待通りの成果とはならなかった。・・・
5月21日、イラン外務省は、次回の米・イラン協議は23日(金)にローマで開催されると発表した。米・イラン協議に関しては、日々さまざまな報道が流れ、状況もめまぐるしく変化しているように見える。しかし、協議を通じて「何らかの合意」に至ろうとするトランプ政権およびイランの決意は固く、一連の動きはすべて「交渉の一環」と見るべきである。・・・
5月19日にワシントンDCで、米国のエネルギー企業2社がイラク・クルディスタン地域の2つのガス田の開発契約を調印した。イラク政府は頭越しの契約に反発しているが、クルディスタン地域政府(KRG)としては、イラク国内全体が発電用ガスを必要としているという背景から、米国政府の暗黙の支援を得て契約に踏み切ったものと見られる。・・・
5月12日以降、リビア・トリポリで民兵間の大規模な衝突が発生し、民間人を含む多数の死傷者が発生した。これをきっかけとして、国民統一政府(GNU)のドベイバ首相への退陣要求が高まっており、政治・治安情勢が流動化している。・・・
軍事作戦拡大と同時の搬入許可、トランプ大統領の圧力か イスラエル首相府は5月18日、ガザ地区での「飢餓発生防止のため、必要最低限の食料搬入を認める」と発表した。イスラエルは3月2日から2カ月半以上、支援物資の搬入を認めておらず、飢餓が拡大しているとの指摘が相次いでいる。「必要最低限の食料」の具体的な内容は不明だが、声明はイスラエル軍が16日から開始した新たな軍事攻勢「ギデオンの戦車」作戦の遂行を妨げないためとしている。・・・
湾岸歴訪中の米国のトランプ大統領は5月14日、リヤードで開催されたGCC・米国首脳会議(以下、首脳会議)に出席し、米・GCC関係や地域情勢について議論した。同日、トランプ大統領はカタルへ移動し、同国のタミーム首長と会談するなど、様々な「ディール」を追及している。・・・
イラン核開発問題をめぐって米国とイランの協議が継続する一方で、米国はイランに対する経済制裁の圧力を緩めていない。5月13日、米財務省は、イランの軍事・テロ活動の資金源となっているとして、イランの石油輸送に関わる国際的なネットワークを構成する香港、中国山東省、シンガポール等の15団体、船舶2隻、個人1名を制裁対象に追加した。同省のプレスリリースは、米財務省がトランプ米大統領のイランに対する最大限の圧力キャンペーンを実施するため迅速に動き、現政権発足後、19回の制裁指定によって計253の個人、団体、船舶を対象にしてきたと述べている。また同日、米国務省も、制裁対象のタンカーからイラン産原油を受け取り保管していたとして、中国の原油・石油製品貯蔵ターミナル会社への制裁指定を発表した。・・・
米国のトランプ大統領が5月13日、就任後初の予定されていた外遊先としてサウジアラビアを訪問し、同国のムハンマド皇太子と首脳会談を行い、米・サウジアラビア投資フォーラムにも出席した。大統領は第1次政権でもサウジアラビアを最初に訪問したが、イスラエルとの国交正常化を強く意識していた前回とは異なり、今回はサウジアラビアの富をいかに還流させるかというビジネス的な視点がより濃厚になった。ただし、シリアへの制裁解除など、米国の中東地域政策においても重要な動きが見られた。・・・
電力需要がピークを迎える夏の到来を前に、電力会社が今シーズンで初めてとなる懲罰的停電措置をテヘランで行なった。イランにおける電力不足の現状と対策を概観すると、イラン一国での解決がきわめて困難な問題であり、制裁解除による投資と技術協力が不可欠であることが明らかになる。・・・
米トランプ政権の発足やロシアの地政学的動向は、リビア情勢にも大きな影響を与えようとしている。本リポートでは、トランプ政権によるリビアへの移民送還の動きと米露のリビア国民軍(LNA)への接近に焦点を当てて分析する。・・・