リポート
対イラン攻撃10日目:イスラエルの狙いとトランプ政権
イスラエルも爆弾使用を節約か 米国とイスラエルによるイラン攻撃の終わりは見えない。ただ3月9日、トランプ大統領は米CBSに対し、攻撃のスケジュールは「想定よりずっと早い」として、「戦争はほぼ終わった」と発言した。この発言を受けてニューヨーク株式市場でダウ平均株価が大きく上昇し、逆に原油先物市場は大幅に下落した。・・・
イスラエルも爆弾使用を節約か 米国とイスラエルによるイラン攻撃の終わりは見えない。ただ3月9日、トランプ大統領は米CBSに対し、攻撃のスケジュールは「想定よりずっと早い」として、「戦争はほぼ終わった」と発言した。この発言を受けてニューヨーク株式市場でダウ平均株価が大きく上昇し、逆に原油先物市場は大幅に下落した。・・・
米・イスラエルとイランの軍事衝突の激化は、中東にとどまらず東地中海の安全保障環境にも影響を及ぼし始めている。その中で、分断状態にあるキプロス島でも新たな動きが出ている。・・・
3月9日、イランの国営メディアは、2月28日に米国とイスラエルの攻撃によって殺害されたアリー・ハーメネイー最高指導者の後継者に、同師の次男であるモジュタバー・ハーメネイー師が選出されたと報じた。・・・
イスラエル・米国とイランの攻撃の応酬が続くなかで、隣国イラクのクルディスタン地域(KRI)に本部を置くイラン・クルド反体制諸組織にスポットがあたっている。イスラエルと米国がクルドに体制転換の一翼を担わせようとしているとの憶測を呼んでいるのだが、このシナリオは多くのリスクを伴う。前編でイスラエル・米国のクルド支援に関する報道を整理し、後編でイラン・クルド反体制組織の紹介とクルド支援のリスクについて述べる。・・・
イラン・クルド イスラエル・米国による軍事攻撃が始まる前の2月22日、5つのイラン・クルド組織が「イラン・クルディスタン政治勢力連合(CPFIK)」を立ち上げた。その後3月4日に、戦闘組織の指揮系統の統一と今後の具体的なプログラムの作成を先行させるべきとの理由から参加を保留していたイラン・クルディスタン・コマラが、急展開する事態に対応するためとして正式な参加を表明し、クルド反体制派の主要6組織が揃う組織となった。いずれの組織も本部をKRIに置き、小規模ながら軍事部門を持つ。・・・
米国とイスラエルが2月28日にイランに対する攻撃を開始して以降、サウジアラビアは周辺国とともにイランによる「報復」攻撃の対象となってきたが、隣国UAEなどと比べると攻撃の規模は小さかった。本レポートでは、この背景を考察するとともに、イランによる湾岸諸国に対する攻撃の最新のトレンドや今後の留意点などについても考察したい。・・・
イランによる周辺国への報復攻撃が続いている。イランは湾岸諸国の米国権益や重要インフラを標的に弾道ミサイルや巡航ミサイル、ドローンを用いて攻撃しており、各国でさまざまな被害が出ている。一連の報復攻撃は、1980年代のイラン・イラク戦争の最中に多くのタンカーが被弾した、いわゆる「タンカー戦争」を髣髴とさせる。イランによる報復攻撃は湾岸諸国を否応なく戦争に巻き込みつつある。・・・
2026年3月4日までのイラン攻撃に伴うホルムズ海峡封鎖や石油関連施設への攻撃など石油に関連する情勢について記載する。・・・
2026年3月1日、OPEC(石油輸出国機構)プラス(以下OPEC+)8カ国(サウジアラビア、ロシア、イラク、UAE、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン)はオンライン会合を開催し、2026年4月に増産を再開し、増産幅を日量20.6万バレル(b/d)とすることを決定した。・・・
2月28日の米イスラエルによるイラン攻撃から地域情勢は緊迫化の一途をたどっているが、ヨルダンは比較的平穏な状態を保持している。イランからヨルダン領空へミサイル、ドローンは飛来しているが、ヨルダンでの死者の発生は報告されていない。しかし、ヨルダンでは軍事安全保障だけでなく、エネルギー安全保障の観点からも緊張感が強まっている様子が見られる。本稿では2月28日から現在までの地域情勢変化に対するヨルダン政府の対応と、ヨルダンの軍事・エネルギー安全保障をめぐる現況について論じる。・・・
米・イスラエルとイランの戦争が4日目に入り、イランはその「報復」としてサウジアラビアへの攻撃も強めている。3月2日・3日にはそれぞれサウジアラビアの東部州のラァス・タンヌーラの製油所と首都リヤードの米大使館で被害が見られた。イランによる攻撃の多くは迎撃されているが、イランはもはや攻撃対象を米軍基地に限定しておらず、サウジアラビアとしては一層の警戒が必要になっている。・・・
イスラエルは2月28日、米国と共同でイランに攻撃を実施したが、同日、レバノン南部の複数の地点に対して、ヒズブッラーの拠点を標的とした攻撃も実施したほか、各国境地域に合計約10万人の予備役の追加招集を行った。イスラエルがヒズブッラーを域内の親イラン武装勢力の中で最も強大な軍事力を持つ重大な脅威と見なしてきたことを考えれば、自然な成り行きと言える。それに対してヒズブッラーはしばらく軍事的反応を見せていなかったものの、3月2日未明にイスラエルに向けたロケット攻撃を実施した。これを受けイスラエルはヒズブッラーを標的とした対レバノン攻撃を強めている。それでは、イスラエル北部戦線のさらなるエスカレーションの可能性はどの程度あるだろうか。本稿では、3月3日朝(日本時間)までのヒズブッラーの動向を中心に、この問題について検討する。・・・
3日間の服喪を発表 イラク政府は3月1日、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師が殺害されたことを受け、「不正と暴政に対抗して祖国を守り、真実の道を貫き、イラン国民のために尽くして殉教した」師を悼んで3日間の公式追悼期間を設けると発表した。ラシード大統領も、ハメネイ師が「祖国と国民のために奉仕し、闘う」ことに生涯を捧げたとする大統領声明を出している。また、クルディスタン地域政府(KRG)のネチルヴァン・バルザーニ大統領は、「イラン国民、政府、そして指導者の皆様に深い哀悼の意と同情を表明する」旨の声明を出した。イランの親イラン的政策は度々米国政府から圧力を受けてきた点であるが、現在のイラクの政治体制の中枢には2003年の体制転換以前からイランとの関係が深かった人物も多く、完全にイランの現体制が崩壊しない限り、イラクがイランとの関係を大きく方向転換することは考えにくい。・・・
2月28日の米国とイスラエルによる攻撃でハーメネイー最高指導者が死亡し、イランが報復を宣言する中、ホルムズ海峡周辺の安全航行への懸念が高まっている。2月28日、イランの革命防衛隊に近いタスニーム通信は、革命防衛隊が「ホルムズ海峡の航行禁止」を周辺の船舶に通告したと報じた。また、3月1日には、ホルムズ海峡で石油タンカーが何者かの攻撃を受け、乗組員4名がけがをしたと報じられた。さらには、同じく1日に、オマーン中部の港町ドゥクムがドローン2機による攻撃を受けたと発表された。・・・
米国とイスラエルが2月28日に開始した対イラン攻撃「壮絶な怒り」作戦は、周辺の湾岸諸国を巻き込んでおり、紛争のさらなる拡大が危惧されている。湾岸諸国では120名もの死傷者が発生しており、イランからの湾岸諸国への軍事攻撃としては過去最大規模の被害が出ている。・・・
2月28日、イスラエルと米国によるイラン攻撃とイランによる報復により、中東湾岸での緊張は一気に高まった。こうした中、トルコ外務省は攻撃後、事態の鎮静化と外交による解決を呼びかけた。声明では今回の一連の攻撃が地域の将来と世界の安定を危険にさらしているとの認識を示した。その上で、国際法に反し民間人の生命を脅かすあらゆる行為に深い懸念を表明し、紛争拡大につながる挑発行為を非難した。イランの核開発への言及はなかった。・・・
米国・イスラエルとイランの間で軍事的応酬が激しくなる中、隣国イラクにも大きな影響が出ている。米国とイスラエルはイラク国内のシーア派民兵への攻撃も対イラン攻撃と同時進行で行っており、それに反撃する形で民兵からイラク国内の米軍関連施設などへの攻撃が相次いでいる。一方、イラク政府は、イランに対する攻撃とイランによる反撃の双方を非難しつつも、ハメネイ師殺害を受けて公式追悼を発表するなど、周辺アラブ諸国とは明らかに異なる対応を見せている。本レポートではイラクへの影響について、前編では軍事面を中心に、後編では政治面を中心に分析する。・・・
サウジアラビア外務省は2月28日19時16分頃(日本時間)、イランによる「露骨な侵略行為」とUAE、バハレーン、カタル、クウェート、ヨルダンへの攻撃を「最も強い言葉」で非難した。また23時頃の声明では自国への攻撃もあったことを認めた。サウジアラビアは自国の領空や領土を米軍の対イラン攻撃に使用させない姿勢を示すなど、イランに配慮を見せてきたが、そうした配慮がイランによるサウジアラビアやその周辺国への攻撃を防ぐことにはつながらなかった。・・・
広範囲な攻撃対象、イランもイスラエルと中東米軍施設に報復 イスラエルと米国は日本時間の2月28日午後3時過ぎ(イスラエル時間午前8時過ぎ、ワシントン時間午前1時過ぎ)、イランへの攻撃を開始した。イスラエルのチャンネル12によると、米国とイスラエルとの合同軍事攻撃は数カ月前から計画され、攻撃は少なくとも数日間続くという。また攻撃対象は多岐にわたっており、ハーメネイー最高指導者とペゼシュキアーン大統領も対象に含まれていると報じられている。・・・
2月26日、米国とイランはスイスのジュネーブで核協議を実施し、協議の継続で合意した。まずは週明け3月2日から、ウィーンの国際原子力機関(IAEA)本部において、実務レベルの協議を実施予定と発表されている。・・・