リポート
イラク:米軍がイラクの民兵に報復攻撃
11月21、22日に続いて12月3日にも、米軍がイラク国内でシーア派民兵への報復攻撃を実施した。米軍がイラクで民兵への直接的な軍事攻撃に踏み切ったのは2年半ぶりのことである。ガザの停戦が崩壊したことでイラクでも一時おさまっていた民兵の活動が再開しており、依然として事態は流動的だが、今のところイラクで全面的な紛争へ拡大する気配は見られていない。・・・
11月21、22日に続いて12月3日にも、米軍がイラク国内でシーア派民兵への報復攻撃を実施した。米軍がイラクで民兵への直接的な軍事攻撃に踏み切ったのは2年半ぶりのことである。ガザの停戦が崩壊したことでイラクでも一時おさまっていた民兵の活動が再開しており、依然として事態は流動的だが、今のところイラクで全面的な紛争へ拡大する気配は見られていない。・・・
イランのライースィー大統領は、2023年11月21日に、歳入の内訳を含む1403年(2024年3月21日~2025年3月19日)度予算法案の第一部を公開した。通例では予算法案の審議は、12月から1月にかけて包括的な予算法案が大統領より国会に提出され、3月の新年度開始に向けて審議が実施される。しかし、来年度予算法案については、二部構成であることや議会へ提出される前に公開されたことなど、例年と異なる手順が踏まれている。この要因として、2022年から2026年が対象とされていた第7次五か年計画の国会審議が難航しており、2023年12月時点においても策定できていないことが挙げられる。(注1)・・・
2023年11月30日、OPEC(石油輸出国機構)プラス(以下OPEC+)の第36回閣僚級会合(以下会合)がオンラインで開催され、2024年1月以降の生産方針について、これまでの合意を維持することを確認した。またこれに加え、一部の産油国が2024年3月末まで追加の自主減産を実施することを発表した。・・・
トルコのギュレル国防相は11月17日、欧州製戦闘機ユーロファイターの調達をめぐり関係諸国との協議を進めていることを議会で明らかにした。トルコはこれまで米国にF16戦闘機の売却を求めてきたが、米議会の根強い反対があり実現のめどは立っていない。そのため、空軍の近代化を急ぎたいトルコはF16に代わりユーロファイターの購入を目指す。F16の購入はあきらめておらず、米国に揺さぶりをかける目的もあるとみられる。ただしユーロファイターの共同開発国の一つであるドイツが売却に賛成しておらず、見通しは不透明である。・・・
解放された人質は合計で81人に イスラエルとハマースは11月27日、2日間の戦闘休止とさらなる人質の解放に合意した。合意延長に基づき28日、人質となっていたイスラエル人10人とタイ人1人が解放された。29日にも次の人質解放が見込まれている。・・・
イスラエルとハマースは人質解放と戦闘の一時停止をめぐる合意に基づき、現地時間11月24日午前7時から合意の履行を開始した。ハマース側からは、これまでに合計40名のイスラエル人が解放され、イスラエル側からも117名のパレスチナ人受刑者が解放されている。またガザ地区への燃料や人道支援物資の搬入も始まった。現在のところ戦闘中止の状態は維持されているようであるが、双方とも相手に対する不信感を抱えるなかで、明日28日には4日間の戦闘中止の期限を迎える。・・・
人質解放は24日以降の見込み カタルを仲介としたイスラエル・ハマース間の人質解放に向けた合意が11月22日に成立した。ハマース側はイスラエル国籍を有する女性と子供の人質50人を解放する一方、イスラエルは4日間、戦闘を「中止」するとともに、イスラエルの刑務所内にいるパレスチナ人の女性や子供150人を釈放することになっている。イスラエル、ハマース、さらにカタルと米国それぞれが個別に声明などを発表し、合意達成を確認した。・・・
2023年11月22日、OPECはプレスリリースで、11月26日に開催される予定だったOPEC(石油輸出国機構)プラス(以下OPEC+)の第36回閣僚級会合(以下会合)を11月30日に延期すると発表した。理由は明らかにしていないが、今回の会合で焦点となる2024年1月以降の生産方針について、参加国間で何らかの意見の相違があり、当初の会合予定日までに合意に達する目途が立たなくなったものとみられる。・・・
イエメン武装勢力のフーシー派は11月19日、イスラエル船を拿捕してイエメンの海岸に連行したことを発表した。報道によると拿捕されたのは自動車運搬船「ギャラクシー・リーダー」号で、日本郵船が運航している。フーシー派はイスラエルによるガザ侵攻を非難しており、イスラエル関連船舶への攻撃を表明していたため、これを実行したことになる。イスラエル・ガザ衝突が発生してから一か月以上が経過するなかで、紛争が周辺地域に波及している。・・・
トルコの最大野党・共和人民党の党首選が11月5日に首都アンカラで行われ、オズギュル・オゼル氏(49)が現職のケマル・クルチダルオール党首を破り新党首に選出された。今年5月の大統領選で野党統一候補として立候補したもののエルドアン大統領に敗れたクルチダルオール氏をめぐり党内では辞任を求める声が強まっていた。・・・
11月11日、アルジェリアのテブーン大統領は、現職のアイマン・ベンアブドゥルラフマーン首相を解任し、ムハンマド・ナズィール・アルバーウィ大統領府長官を新首相に任命した。2024年の国政選挙を控え、政権基盤を安定させるための打ち手と見られている。・・・
サウジアラビアは11月11日、パレスチナのガザ情勢について協議するため、イスラーム協力機構(OIC)とアラブ連盟の合同臨時サミットを首都リヤードで開催した。サミットにはイランのライースィー大統領を含め多数の首脳が参加し、長文の決議を採択して閉会した。本レポートではその背景や意味について考察する。・・・
トルコの破棄院は11月8日、有罪判決を受けたまま今年5月の国政選挙で当選した国会議員の釈放を命じた憲法裁判所の判決を「違憲」と判断した。さらに判決に関わった憲法裁判事らを刑事告訴した。野党側は「司法によるクーデター」だと強く反発している。・・・
困難を伴うガザ市での掃討作戦 イスラエルとハマースなどの大規模軍事衝突は、11月6日で1か月を迎えた。イスラエル軍は10月27日の奇襲以来、地上部隊をガザ地区の北部および中央部からガザ市に向けて進軍させており、ガザ市を包囲したという。激しい空爆を続けながら、ハマースの拠点が集中していると見られるガザ市中心部に向け、慎重かつ強力な掃討作戦を進めると見られる。・・・
米政府は11月2日、ロシアに対する追加経済制裁を発表した。今回の制裁措置の対象には、日本勢が参画するロシア北極圏での液化天然ガス開発事業「アークティック2」が含まれ、国務省は将来のロシアのエネルギー関連の収入を制限する狙いを明らかにしたが、同時に財務省が発表した追加制裁のリストには、中国のほかトルコとアラブ首長国連邦(UAE)を拠点とする企業や企業グループ、個人が含まれている。イエレン財務長官は、「ロシアはウクライナに対する戦争を続けるため第三国の個人や団体に依存しており、われわれは彼らに責任を負わせることをためらわない」とコメントし、ロシアが軍事用に調達する資機材のサプライチェーンを断つ決意を強調した。・・・
11月1日、ハーメネイー最高指導者は、在イラン米国大使館占拠記念日(11月4日)を記念して学生たちを前に演説を行い、イスラーム諸国に対し、イスラエルへの石油および食料の禁輸を呼びかけた。イスラエルによるガザへの攻撃が強化される中で演説を行ったハーメネイー師の後ろには、シーア派の指導者であるイマーム・アリーの言葉とされる、「抑圧者の対抗者たれ、被抑圧者の援助者たれ」という文言が大きく掲げられた(注1)・・・
ネタニヤフ首相、「困難で長い戦争」 イスラエルとガザ地区との大規模軍事衝突は10月31日で25日となった。イスラエルは激しい空爆に加え、27日以降、ガザ北部などで地上部隊による戦闘を拡大している。地上部隊の作戦目的は人質の救出、ロケット発射施設などの破壊、さらに複雑に張り巡らされたトンネルの探索と破壊などとみられる。こうした中、イスラエルは30日、人質として拉致されていたイスラエル軍の女性兵士1人を救出したと発表した。一方、ハマースも同じ日、拉致している女性3人とされるビデオを公開した。・・・
エルドアン大統領は10月28日、イスタンブール市内で開かれたパレスチナを支持する大規模集会で演説し、イスラエルによるガザ攻撃を「戦争犯罪」と断罪し、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスは「テロ組織」ではないと強調した。イスラエルはこうした発言を受けてトルコとの関係見直しを発表した。・・・
10月25日、リビア東部を拠点とする代表議会(HOR)は、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への大規模攻撃を受けて、米・英・仏・独・伊への石油・天然ガス輸出を停止するよう、東部を拠点とする国民安定政府(GNS、国際社会は未承認)に要請した。現状で石油の生産・輸出に影響は出ていないものの、今後の国内情勢を注視する必要がある。・・・
韓国の尹錫悦大統領が10月21日から24日にかけて国賓としてサウジアラビアを訪問した。22日にムハンマド皇太子と会談した他、24日にはサウジアラビアが毎年開催している投資会議「未来投資イニシアティブ」に出席した。両国の首脳間の往来は昨年11月のムハンマド皇太子の韓国訪問以来で、1年足らずの訪問となった。サウジアラビアの経済パートナーとして韓国の存在感が高まっている。・・・