2017年05月22日

中東研ニューズリポート

トランプ米大統領がサウジ米サミットに出席

執筆者

近藤 重人

カテゴリー

政治, 経済

地域・テーマ

サウジアラビア, 米国、カナダ
 米国のトランプ大統領は、大統領就任後初の外国訪問として5月20日と21日の二日間サウジアラビアを訪れた。そして、サウジ・米サミット、GCC・米サミット、アラブ・イスラーム・米サミットの3つの会議に参加した。

サウジ米サミット


 5月20日午後に米国のトランプ大統領がサウジアラビアの首都リヤードに到着し、空港でサルマーン国王に迎えられた。両者はその後ヤマーマ宮殿に移動し、トランプ大統領への勲章授与式、首脳会議、「サウジ・米共同ビジョン宣言」の署名式、そして両者立会いの下で様々な経済・防衛合意の署名式が行われた。大統領はまた、ムハンマド皇太子、ムハンマド副皇太子と個別に会談し、夜はサウジアラビアの伝統舞踊(剣舞(アルダ))に加わった。

 サルマーン国王との会談では、二国間の歴史的関係や中東情勢について議論し、サウジ側はムハンマド皇太子、ムハンマド副皇太子、ムトイブ国家警備相、ジュベイル外相、ハーリド駐米大使、アイバーン国務相、ファーリフ・エネルギー相、カサビー商投資相らが、米側はティラーソン国務長官、クシュナー大統領上級顧問、ロス商務長官、プリーバス首席補佐官らが同席した。
 
 ムハンマド皇太子との会談では、テロとの戦いにおける協力などについて協議され、サウジ側はアブドゥルアジーズ内務相顧問やハーリド駐米大使、米側はティラーソン国務長官らが出席した。ムハンマド副皇太子との会談でも、中東情勢やテロとの戦いについて議論され、サウジ側はハーリド駐米大使やアイバーン国務相、米側はクシュナー大統領上級顧問らが同席した。

 両国は軍事面での協力を深めた。ムハンマド副皇太子はティラーソン米国務長官との間でサウジ軍の現代化のための覚書を交わした。サウジ技術開発会社(TAQNIA)のトルキー会長とロッキード・マーティンのヒューソンCEOは、サウジ国内で同社の軍用ヘリ・ブラックホークの組み立てに関する協定を結んだ。また、新たに設立されたサウジ軍事産業会社(SAMI)は、ロッキード・マーティン、レイセオン、General Dynamics、ボーイングと軍事産業に関する協定を結んだ。ホワイトハウスによると、これらの軍事関係の協定の総額が1100億ドルになるという。

 ジュベイル外相はティラーソン国務長官との共同記者会見で、「我々はイランを言葉ではなく行動で判断する」と述べ、イランがテロ行為などを慎むよう強く促した。ティラーソン国務長官も翌日の共同記者会見で、「テロの実施と支援、弾道ミサイル開発の継続」は「受け入れられない」とし、「我々は制裁を通じて行動し続ける」と語った。

 また、今回の訪問に合わせて米国のカントリー歌手トビー・キースとサウジ人歌手ラービフ・サクルによるコンサートがエンターテインメント総合委員会によって開催された。同国では今年に入ってジェッダ、リヤードでサウジ人歌手や日本のオーケストラによるコンサートが実施されており、文化開放の動きが徐々に進んでいる。