センター長 挨拶

田中 浩一郎

センター長挨拶

中東とわが国のつながりは、エネルギー供給国と需要国という伝統的な関係の枠組みを越え、近年、企業進出や文化交流、人の往来など、多方面に広がるようになりました。中東の主要な航空会社が運航する直行便の乗り入れも増え、中東と日本の双方からの観光旅行先としても身近な存在になりつつあります。

しかし、一方で、中東地域に関する情報は、依然として欧米メディアを通じて間接的に伝えられる、ステレオタイプ的なものが中心である状態は変わらないままです。日本や東アジアの安全保障に影響を及ぼしかねないさまざまな事象の分析も、もっぱら欧米の関心と視点から行われており、必ずしも日本の事情とニーズに照らし合わせて議論されたものではありません。

現在、広義の中東地域で緩やかに進行している政治的な不安定を糧として、不幸にも拡散を続けるテロ事案の発生によって、地政学リスクの捉え方がますます複雑化しています。国家としての経済成長や、国民の社会的満足度などを計るだけでは、カントリーリスクをじゅうぶんに掌握しているとは言い切れないのが実状です。

このような環境に対応するため、われわれ中東研究センター(JIME)は、中東・北アフリカ地域の主要国に焦点をあて、地政学的な相互関係がわが国に及ぼす影響を、企業活動の視座を踏まえながら、40年間に及ぶ組織的な蓄積と現地情勢に通じた経験豊富な研究員の知見に基づいて分析し、その独自性の高い成果を、賛助会員のみなさまに、適宜、提供することを目的としています。

上記のように、JIMEは、日本エネルギー経済研究所(IEEJ)の一部門として、これからも賛助会員各社のご要望に応えるべく、一丸となって日々の努力を続けていく所存です。