OPEC総会の記録 2001年

第113回OPEC総会(2001年1月17日)

English

オーストリアのウィーンで開催された第113回(臨時)OPEC総会は、以下のようなコミニュケを採択して閉幕した。

OPECは石油市場の現状と今後の需給予測を勘案した結果、150万b/dの減産を行うことを決定した。2月1日から生産枠を以下のように改訂する。


2000年10月31日
産油量

減産量

減産後産油量

サウジアラビア

8,674.2

486

8,189

クウェート

2,141.0

120

2,021

UAE

2,333.4

132

2,201

カタル

691.8

39

653

ベネズエラ

3,076.8

174

2,902

ナイジェリア

2,197.6

123

2,075

インドネシア

1,384.6

78

1,307

リビア

1,431.2

81

1,350

アルジェリア

852.6

48

805

イラン

3,916.8

219

3,698

OPEC10カ国計

26,700.0

1,500

25,200

(単位:1,000b/d)




(四捨五入などのため、誤差が生じることがある)
  1. OPECの目標の一つは、適切な価格による安定した石油市場を築くことである。しかし、現在の原油供給量は需要量を大幅に越えており、状況は主要国の経済減速により悪化しつつある。季節的に需要が減退する第II四半期を迎えた時、現行の生産量では価格崩壊を招く恐れがある。
  2. 次回の定例総会は2001年3月16日にウィーンで開催し、市況を見極めて適切を思われるあらゆる措置をとる。

第114回OPEC総会(2001年3月17日)

English

オーストリアのウィーンで開催された第114回(臨時)OPEC総会は、以下のようなコミニュケを採択して閉幕した。

世界経済の減速、及び季節的要因による第II四半期からの需要減退に対応して、石油市場を安定化させるため、100万b/dの減産を行うことを決定した。4月1日から生産枠を以下のように改訂する。


2001年1月合意生産枠

減産量

減産後生産枠

 サウジアラビア

8,189

324

7,865

 クウェート

2,021

80

1,941

 UAE

2,201

88

2,113

 カタル

653

26

627

 ベネズエラ

2,902

116

2,786

 ナイジェリア

2,075

82

1,993

 インドネシア

1,307

52

1,255

 リビア

1,350

54

1296

 アルジェリア

805

32

773

 イラン

3,698

146

3,552

OPEC10カ国計

25,200

1,000

24,201

(単位:1,000b/d)




(四捨五入などのため、誤差が生じることがある)
  1. 今後も市況を注意深くモニターし、一定期間継続して受け入れがたい価格レベルとなった場合、直ちに市場安定化のための措置を執ることで合意した。状況を精査するため、2001年6月5 - 6日にウィーンで再度会合する。
  2. 次回の定例総会は2001年9月26日にウィーンで開催する。

第115回OPEC総会(2001年6月5日)

English

オーストリアのウィーンで開催された第115回(臨時)OPEC総会は、以下のようなコミニュケを採択して閉幕した。

  1. 現在の石油市況と今後の需給予測を吟味した結果、原油、製品ともに在庫は十分なレベルであると判断した。現在の状態が続くならば、2001年末まで現状の需給バランスが続くと思われる。
  2. 年初以来、OPECバスケット価格は消費国・生産国ともに受け入れられるレベルであるプライス・バンド圏内($22 - 28/b)に収まり、かなり安定しているが、消費者の需要を満たし、市場を安定化させる努力を続けていくことを強調する。
  3. 以上のことから今回は生産枠の変更を行う必要はないと判断したが、今後の石油市場の動向に対応しあらゆる必要な措置を執るために、2001年7月3日にウィーンで再度会合する。

 

訳者注:今回は、イラクが6月4日から原油輸出を停止したことをうけてOPECの対応が注目されていたが、現段階では輸出停止の期間や長期的な影響が不透明なため、生産枠の変更を1カ月後に見送る形となった。

第116回OPEC総会(2001年7月3日)

English

オーストリアのウィーンで開催された第116回(臨時)OPEC総会は、以下のようなコミニュケを採択して閉幕した。

  1. 石油市場の状況を精査し、今後の需給バランスを予測した結果、現行の生産枠を変更しないことを決定した。
  2. 今後も引き続き市況をモニターし、OPECバスケット価格を$22 - 28/bに維持するために、必要なときにはあらゆる措置をとることを強調する。
  3. 価格の不安定性を最小化するために、他の産油国が今後もOPECと協調していくことを要請する。
  4. 次回の定例総会は2001年9月26日にウィーンで開催する。

OPEC電話会議(2001年7月25日)

English

世界経済の減速が石油需要に影響を与え、石油在庫が比較的堅調に積み増しされている。産油国、消費国双方のために市場の安定を確保し、世界の需要を満足させ、石油価格のボラタリティーを回避するため、OPECは2001年9月1日から100万b/dの減産を実施することを決定した。尚、市場の動向によってはすぐに臨時総会を開催するという選択肢も残してある。この決定による加盟各国の生産枠は次の通り。 


2001年3月合意生産枠

減産量

減産後生産枠

 サウジアラビア

7,865

324

7,541

 クウェート

1,941

80

1,861

 UAE

2,113

88

2,025

 カタル

627

26

601

 ベネズエラ

2,786

116

2,670

 ナイジェリア

1,993

82

1,911

 インドネシア

1,255

52

1,203

 リビア

1,296

54

1,242

 アルジェリア

773

32

741

 イラン

3,552

146

3,406

OPEC10カ国計

24,200

1,000

23,201

(単位:1,000b/d)




(四捨五入などのため、誤差が生じることがある)

 

訳者注:OPECバスケット価格がプライス・バンド下限値の$22/bに近づいてきたため、緊急総会の開催が検討されたが、日程の調整がつかず、急遽電話協議にて減産が決定された。

第117回OPEC総会(2001年9月27日)

English

オーストリアのウィーンで開催された第117回OPEC定例総会は、以下のようなコミュニケを採択して終了した。

  1. 米国における同時テロは、原油価格の乱高下を含め、政治的、経済的に大きな影響を与えており、OPECは市場の安定のため、市場の必要を満たすのに十分な原油供給にコミットする。
  2. テロ事件によって、世界経済の見通しはさらに悪化傾向を強めており、世界の石油需要は減少すると思われる。産油国には石油市況安定化のため、早急な措置が求められる。
  3. 市場の安定性を保つため、OPECは現行の生産レベルを維持する。また全ての消費国に対し、世界経済成長のために尽くすことを求める。
  4. アンゴラ等、8カ国の総会への参加を歓迎すると共に、石油市況安定化のためには非OPEC産油国との協力関係強化が重要であることを強調した。OPECと非OPEC産油国との間で石油市場を考察し、双方がとるべき行動の提案を行う場として専門家作業部会(Expert Working Group)を設置し、2001年10月に会合を持つ。
  5. OPECは市場を注視し$22 - 28/bの価格を守るためには、臨時総会の開催を含め、あらゆる手段を講じる。市場の動向を確認するため、2001年11月14日にウィーンで臨時総会を開催する。次回定例総会は、2002年3月12日にウィーンで開催する。
  6. 2002年1月1日から1年間、議長をルクマン・ナイジェリア石油エネルギー担当大統領顧問、議長代行をアティーヤ・カタル・エネルギー工業相とする。

 

訳者注:米国でのテロ事件による景気後退懸念のため、総会直前にはOPECバスケット価格は20ドルを切っており、2001年に3回の減産を行うことによって常に$22/b以上を維持してきたOPECにとって、今回も減産を決定するのが自然な流れであった。今回の生産枠維持は、世界経済の減速を抑制するために、石油価格の引き下げを図ったものと思われる。

第118回OPEC総会(2001年11月14日)

English

オーストリアのウィーンで開催された第118回(臨時)総会は、以下のコミュニケを採択して終了した。

  1. 総会は、記録的な洪水に見舞われたアルジェリア政府と国民に深い哀悼の意を表する。
  2. 現在の石油市況と需給予測、またOPECが石油市況安定化の責務を負っていることを想起して、現在の世界経済減退が石油市況に与えている影響を考慮すると、1999年の場合と同様に、追加の減産を公平に分担するかたちで、OPECと非OPEC間に具体的な協力が必要である。
  3. 石油市況のバランスさせるにはさらに200万b/dの減産が必要であり、OPECが今年すでに実施している350万b/dの減産と合わせると、2001年1月からの合計減産量は550万b/dとなる。価格と市場を安定させるためには他の産油国の協力が必要であり、非OPEC産油国が50万b/dの減産を行うという確実な約束を条件として、OPECは2002年1月から150万b/dの減産を行う。
  4. 総会は、非OPEC産油国、特にメキシコ、オマーンが市況安定化のための協力を表明したことを歓迎するとともに、非OPECとの接触を続けていくことを決定した。また、2001年10月29日に行われたOPECと非OPECの上級専門家作業グループ(senior expert working group)の成果に満足しており、総会は同様の会合を定期的に開催する。
  5. 次回定例総会は、2002年3月12日に開催する。

 


2001年7月合意生産枠

減産量

減産後生産枠

 サウジアラビア

7,541

488

7,053

 クウェート

1,861

120

1,741

 UAE

2,025

131

1,894

 カタル

601

39

562

 ベネズエラ

2,670

173

2,497

 ナイジェリア

1,911

124

1,787

 インドネシア

1,203

78

1,125

 リビア

1,242

80

1,162

 アルジェリア

741

48

693

 イラン

3,406

220

3,186

OPEC10カ国計

23,201

1,500

21,701

(単位:1,000b/d)




(四捨五入などのため、誤差が生じることがある)


(仮訳)
財団法人 中東経済研究所