OPEC総会の記録 2000年

第109回OPEC総会(2000年3月29日)

English

オーストリアのウィーンで開催された第109回OPEC総会は、以下のようなコミニュケを採択して閉幕した。

  1. 2000年6月21日にウィーンで臨時総会を開催する。
  2. 次回の定例総会は2000年9月10日にウィーンで開催する。
  3. 総会の議長にベネズエラのロドリゲス・エネルギー鉱物相を、副議長にリビア国営石油会社のバドリ総裁を選任(任期はそれぞれ1年)。
  4. ルクマン氏には任期切れまで事務局長を継続するよう要請。

今回の総会では、経済制裁中のイラク、増産協定に参加しなかったイランを除くOPEC9カ国(サウジアラビア、クウェート、UAE、カタル、ベネズエラ、ナイジェリア、インドネシア、リビア、アルジェリア)で、2000年4月1日からの生産枠を1999年3月次点の水準に戻すことに合意した。


1999年4月産油量

増産量

増産後産油量

 サウジアラビア

7,438

585

8,023

 クウェート

1,836

144

1,980

 UAE

2,000

157

2,157

 カタル

593

47

640

 ベネズエラ

2,720

125

2,845

 ナイジェリア

1,885

148

2,033

 インドネシア

1,187

93

1,280

 リビア

1,227

96

1,323

 アルジェリア

731

57

788

OPEC9カ国計

19,617

1,452

21,069

 イラン

3,359

-

-

(単位:1,000b/d)

訳者注:総会では、原油価格の高騰を抑制するため増産について協議されていたが、増産量を巡ってサウジアラビアとイランの意見が対立し、結局イランは増産協定に参加しなかった。その背景には、イランの生産余力がサウジアラビアやクウェートなどの主要産油国に比べて小さく、仮に増産により油価が下落した場合、その損失分を埋め合わせるだけのさらなる増産ができない可能性があること、さらに今回の増産がOPEC主導というより米国からの増産圧力を強くうけた結果であるという事実に反発したためと見られている。

第110回OPEC総会(2000年6月21日)

English

オーストリアのウィーンで開催された第110回(臨時)OPEC総会は、以下のようなコミニュケを採択して閉幕した。

OPECは石油市場の動向を注意深く検討した結果、石油市況を穏健なレベルに維持するというOPEC自身の意志により増産を決定した。2000年7月1日より生産枠を以下のように改訂する。

2000年3月産油量

増産量

増産後産油量

 サウジアラビア

8,023

230

8,253

 クウェート

1,980

57

2,037

 UAE

2,157

62

2,219

 カタル

640

18

658

 ベネズエラ

2,845

81

2,926

 ナイジェリア

2,033

58

2,091

 インドネシア

1,280

37

1,317

 リビア

1,323

38

1,361

 アルジェリア

788

23

811

 イラン

3,623

104

3,727

OPEC10カ国計

2,4692

708

25,400

(単位:1,000b/d)

  1. OPECは増産決議を行ったが、消費国も適切な対応を行うことを希望する。特に欧州諸国では小売価格の70%にも達する課税を行っていることが石油価格を高くしている要因である。
  2. 最近の価格の高騰はファンダメンタルズによるものだけではないことを指摘する。原油在庫は適切な水準にあるが、市場が投機的になっている。また製品価格は米国の環境規制に伴うリフォーミュレイテド・ガソリンの供給不足の結果である。
  3. 市場の安定のためOPECに協力してくれた非OPEC産油国に対し、賛意を表する。
  4. 次回の定例総会は2000年9月10日にウィーンで開催する。

第111回OPEC総会(2000年9月10日)

English

オーストリアのウィーンで開催された第111回OPEC総会は、以下のようなコミニュケを採択して閉幕した。

OPECは、将来の需給予測を行い、増産を決議した6月の第110回臨時総会以降の市場動向を慎重に再評価した結果、市場の状況を考慮し、また、原油価格が石油消費国の懸念を強めるレベルに達している事実に照らし、2000年10月1日から80万b/dの増産を実施することで合意した。各加盟国の生産枠は次のとおりである。

2000年6月合意産油量

増産量

増産後産油量

 サウジアラビア

8,253

259.2

8,512.2

 クウェート

2,037.0

64.0

2,101.0

 UAE

2,219.0

70.4

2,289.4

 カタル

658.0

20.8

678.8

 ベネズエラ

2,926.0

92.8

3,018.8

 ナイジェリア

2,091.0

65.6

2,156.6

 インドネシア

1,317.0

41.6

1,358.6

 リビア

1,361.0

43.2

1,404.2

 アルジェリア

811.0

25.6

836.6

 イラン

3,727.0

116.8

3,843.8

OPEC10カ国計

25,400.0

800.0

26,200.0

(単位:1,000b/d)

  1. 2000年6月の場合と同様に、供給レベルは需要を上回っているという事実はあるが、総会は市場の安定化に貢献するというOPECの責任を認めたうえで、追加増産に合意した。これに関して総会は、石油市場の混乱の根本的な原因が精製業者のボトルネックからくる製品不足、先物市場における投機、原油買い占めによるブレント市場の操作、そしてそれによってもたらされた軽質低硫黄原油と重質高硫黄原油の価格差の拡大にあることを強調する。
  2. EUの各国政府が石油製品への過大な課税が高油価の原因であることを認識していないことに失望している。ヨーロッパでは石油製品価格のわずか16%が石油輸出国に配分されるだけで、残りの84%が税金や精製・販売業者の取り分である。しかしその一方で、OPECは産油国、消費国双方の利益のために、石油市場の動向に関して双方が継続的に意見交換するよう、EU各国や他の石油消費国との対話を開始することを歓迎する。
  3. 状況を見極めるため2000年11月12日にウィーンで再度会合する。
  4. 次回の定例総会は2001年3月16日にウィーンで開催する。

第112回OPEC総会(2000年11月13日)

English

第112回(臨時)OPEC総会は、オーストリア・アルプスで起きたケーブルカーの事故により多くの人名が失われたことに対して哀悼の意を表し、予定を1日ずらして13日にウィーンで開催され、以下のようなコミニュケを採択して閉幕した。

  1. OPECは、2000年9月に行われた第111回総会後の市場の状況を精査した。今年に入って既に4度の増産(370万b/d以上)を行い、非OPEC諸国も150万b/d以上を増産しているものと思われる。このことが価格の急騰を防いでいる。強調されるべきは、第一に、これらの増産原油が市場に届き効果を現すにはまだしばらくの時間がかかるということ、第二に、これらの増産が市場に届けば供給は需要を上回り、価格低下をもたらすであろうということである。
  2. 状況を見極めるため2001年1月17日にウィーンで再度会合する。
  3. ベネズエラのロドリゲス氏をOPEC事務局長とすることに決定した(任期は2001年1月1日から3年間)。
  4. アルジェリアのエネルギー鉱業相ハリール氏をOPEC議長に、またナイジェリアの石油顧問ルクマン氏をOPEC副議長に選出した(任期は2001年1月1日から1年間)。
  5. 次回の定例総会は2001年3月16日にウィーンで開催する。


(仮訳)
財団法人 中東経済研究所