OPEC総会の記録 1996年

第100回OPEC総会(1996年6月5日〜7日)

オーストリアのウィーンで開催された第100回OPEC 総会は以下等のコミュニケを採択した。

  1. 総会新議長にUAEのラカード・石油・鉱物資源相代行、副議長にリビアのエル・バドリ・エネルギー人民委員会議長を選任。
  2. 閣僚監視小委員会(MMSC)新議長にイランのアガザデ石油相、新メンバーにリビアのエル・バドリ・エネルギー人民委員会議長、ナイジェリアのエテテ石油資源相、ルクマン事務局長を選任。
  3. 石油市場の動向を検討し、イラク・国連間の人道的要請に基づく石油取引を考慮した結果、1996年までの生産上限を2,503.3万b/dに設定。イラクを除く加盟国の割当は1993年9月の決議に従い、残りの120万b/dはイラクが供給する。

  4. 生産上限
    サウジアラビア 8,000
    イラン 3,600
    イラク 1,200
    クウェート 2,000
    UAE 2,161
    カタル 378
    ベネズエラ 2,359
    ナイジェリア 1,865
    インドネシア 1,330
    リビア 1,390
    アルジェリア 750
    合計 25,033
    (単位:1,000b/d)
  5. 次回総会は、1996年11月27日にウィーンで開催する。

訳者注:
 1996年2月から開始された国連決議986号(イラクに石油禁輸の部分解除を認める)の受諾をめぐる国連とイラクの交渉が、5月20日に合意に至ったことを受け、OPECはイラク輸出相当分80万b/dを上乗せし、2年9カ月ぶりに生産上限を引き上げた。年初からの堅調な原油市場を背景に、石油市場に復帰するイラク原油は容易に市場に吸収され、年末にかけても価格は下落しないとの見通しによるものであった。OPECは今回の部分禁輸解除には一応の対応を決定したが、大産油国イラクの本格的復帰へ向けた実質的対応は先送りされており、いぜん大きな懸念材料である。 
 超過生産問題については具体的進展はなく、このほかガボンの1995年1月1日からの正式脱退が承認されている。



第101回OPEC総会(1996年11月27日〜28日)

オーストリアのウィーンで開催された第101回OPEC 総会は以下等のコミュニケを採択した。

  1. 総会の新議長にリビアのエル・バドリ・エネルギー人民委員会議長を、副議長にカタルのアティヤ・エネルギー産業相を選任。
  2. 1997年の理事会の会長にイラクのハッサン理事を、副会長にクウェートのラズーキ理事を選任。
  3. イランのアガザデ石油相を委員長とする閣僚監視小委員会を継続し、委員としてインドネシアのスジャナ鉱物エネルギー相、ナイジェリアのエテテ石油資源相、ルクマンOPEC事務局長を選任。
  4. 1997年6月末まで、現行の2,503.3万b/dの生産上限および加盟各国の生産枠を据え置く。
  5. 次回総会は1997年6月25にオーストリアのウィーンで開催。

訳者注:1996年の原油市場は、アジアをはじめとする旺盛な石油需要、欧米諸国の低在庫政策、年初の厳冬、夏のイラク原油禁輸部分解除の延期などを背景に堅調に推移したため、生産上限については比較的早い時期から据え置きとの見方が大勢を占めていた。また、一部加盟国の超過生産問題についても具体策は示されなかった。


(仮訳)
財団法人 中東経済研究所