渡邊 駿(わたなべ しゅん)

主任研究員

専門分野・担当国

ヨルダンを中心とする東アラブ諸国、及びオマーン、クウェート等アラブ君主制諸国の現代政治、
安全保障の研究、ジハード主義動向分析

紹介

大学在学中の2011年にアラブ世界を席巻した政変の嵐、通称「アラブの春」をきっかけに、中東政治に関心を持つようになりました。その中で、なぜアラブ君主制諸国は体制を保っているのか、という点に興味を持ち、ヨルダンを主要な研究対象事例としながら、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程にて研究を行いました。大学院修了後、2018~20年には、笹川平和財団のフェローとして英国オックスフォード大学にて客員研究員を務め、現代ヨルダン政治に関する更なる調査・研究を行いました。これまでに、部族政治、クライエンテリズム、イスラームと君主制、中央地方関係といったトピックから現代ヨルダン政治・アラブ君主制論に取り組んでいます。

2021年4月に日本エネルギー経済研究所に入所し、研究所の業務としてヨルダンを含む東アラブ諸国、およびオマーン・クウェートといった湾岸の君主制の政治・外交に関する情勢分析、ジハード主義勢力に関する動向分析を担当しています。中東政治についてより解像度の高い情報発信を目指してまいります。

これまでの研究成果としては、単著『現代アラブ君主制の支配ネットワークと資源分配−−非産油国ヨルダンの模索−−』(ナカニシヤ出版、2022年)があります。加えて、主要論文として、「現代ヨルダン権威主義体制におけるクライエンテリズムの頑強性――2010年代の選挙制度改革の分析から」(『日本比較政治学会年報』第24号、151~174ページ、2022年10月)、“Challenges for National Dialogue in the Post-Arab Spring Era: The Case of Bahrain”(Journal of the Asia-Japan Research Institute of Ritsumeikan University, 1, July 2019, pp.56-72)があります。そのほか、国内外の学会やセミナーで研究発表を行っています。

教育歴としては、立命館大学(文学部、2020年度後期)、同志社大学(グローバル地域文化学部、2021年度後期)、愛知県立大学(外国語学部、2021~22年度後期集中講義)、大妻女子大学(文学部、2022年度~)で中東政治・イスラームに関する講義を非常勤講師として担当しています。

2013年東京大学法学部卒業、2018年京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。博士(地域研究)。