小林 周(こばやし あまね)

主任研究員

専門分野・担当国

リビアを中心とした中東・北アフリカ諸国の政治・経済、国際関係論、エネルギー地政学

紹介

慶應義塾大学大学院研究員、米国・戦略国際問題研究所(CSIS)、日本国際問題研究所などを経て、2017年に日本エネルギー経済研究所中東研究センターに入所。2021年4月から2023年4月まで、在リビア日本大使館にて書記官として勤務し、政務・経済・経済協力など幅広い業務を所掌。

中東研究センターでは、リビアを中心とした北アフリカ諸国の政治・経済・エネルギー動向、中東・北アフリカ地域の治安動向を主担当とする。エネルギー地政学およびエネルギー安全保障の観点からも研究を進める。政府機関、民間企業、メディア、研究機関などでの講演多数。

これまで、秋田大学、慶應義塾大学、成蹊大学、東京外国語大学、東洋英和女学院大学で、中東の現代政治、エネルギー政策、国際関係論、国際安全保障、地域紛争に関する講義を担当(2023年5月現在)。国際連合大学、外務省、国際交流基金、米国務省、サントリー文化財団、その他学術・民間財団の助成を受けた研究プロジェクトを多数主導。

慶應義塾大学総合政策学部卒業。同大学院政策・メディア研究科にて修士号、博士号取得。

Researchmap

書籍
  • 日下部尚徳、本多倫彬、小林周、髙橋亜友子(編著)『アジアからみるコロナと世界:我々は分断されたのか』毎日新聞出版、2022年5月
  • 阪本公美子、岡野内正、山中達也(編)『日本の国際協力 中東・アフリカ編』ミネルヴァ書房、2021年8月(「対リビア援助:内戦後復興支援に向けた課題」)
  • 西尾哲夫、東長靖(編著)『中東・イスラーム世界への30の扉』ミネルヴァ書房、2021年7月(「『アラブの春』と不安定化の拡散」)
  • 末近浩太、遠藤貢(編)『グローバル関係学4 紛争が変える国家』岩波書店、2020年9月(「紛争下のリビアにおける国家観――『断片化』と統合の狭間で」64-82頁)
  • 落合雄彦(編著)『アフリカ安全保障論入門』晃洋書房、2019年3月(小林周・保坂修司「シャバーブ」118-127頁)
  • 山内昌之(編)『中東とISの地政学』朝日新聞出版、2017年2月(「リビアの地政学リスクとイスラーム過激派の動向:「非統治空間」への着目」119-146頁)
主な論文
  • 「露ワグネルのアフリカにおける動向~プリゴジンの死亡が与える影響~」『治安フォーラム』第30巻第1号、2023年12月
  • 「座談会:再編続く 中東情勢の現在地」小林周、田中浩一郎、中村覚、江﨑智絵『外交』第81巻、2023年9月
  • 「露ワグネルのアフリカにおける動向:『プリゴジンの反乱』はどのような変化をもたらすか」笹川平和財団、国際情報ネットワーク分析IINA、2023年7月
  • 「プーチン政権『対アフリカ関与』の橋頭保、ワグネルの知られざる利権と影響力の行方」新潮社Foresight、2023年7月
  • 「リビアの政治・経済・エネルギー動向~不透明化する政治プロセスの一方で進むエネルギー・経済開発~」『中東協力センターニュース』2023年6月
  • 「混迷するリビア情勢と日本大使館の挑戦:天寺祐樹臨時代理大使に聞く」笹川平和財団、国際情報ネットワーク分析IINA、2023年5月
  • 「変動する国際秩序とアフリカの地域秩序――アフリカは「米中対立」にいかに巻き込まれるのか」『防衛学研究』68号、2023年3月
  • 「大統領・議会選挙延期後のリビア情勢――「リビア・トラップ」からの脱却に向けた課題」『中東研究』546号、2023年1月
  • 「ロシア「ウクライナ侵略」で高まるリビアの戦略的重要性」新潮社Foresight、2022年5月
  • 「リビアが直面する「首相が2人」の異常事態(下)一致できない国際社会」新潮社Foresight、2022年5月
  • 「リビアが直面する「首相が2人」の異常事態(上)大統領選挙はなぜ延期されたのか」新潮社Foresight、2022年5月
  • 「中東発エコノミック・ステイトクラフトの検証――変化する域内安全保障の中で」『国際政治』205号、2022年2月
  • 「大統領選選挙延期に揺れるリビア」『外交』71号、2022年1月
  • 「プラットフォームとしてのイスラーム研究・教育機関:リビアにおける世界イスラーム・ダアワ協会の役割」『アジア・アフリカ言語文化研究』102号、2021年9月
  • 「リビアの石油開発:期待と課題」『エネルギー・資源』42号4巻、2021年7月
  • 「Covid-19と変化する「国際援助」:中東諸国の動向に焦点を当てて」笹川平和財団「コロナ対応から考えるアジアと世界」2021年5月
  • 「リビア紛争の展開と地中海東部、紅海沿岸情勢との連動」日本国際問題研究所、2020年11月
  • 「緊張高まるリビア紛争Ⅱ-欧米の分裂が妨げる安定化」笹川平和財団、国際情報ネットワーク分析IINA、2020年11月
  • 「NATOの“裏庭”リビアに橋頭堡を築くロシア」『Wedge』2020年9月
  • 「緊張高まるリビア紛争Ⅰ-トルコ、ロシアの軍事介入」笹川平和財団、国際情報ネットワーク分析IINA、2020年8月
  • 「ジハード主義を読む(10)中東におけるISの動向」『治安フォーラム』第26巻第9号、2020年8月
  • 「『2つのショック』に襲われる中東諸国――グローバルなコロナ蔓延と石油価格下落の影響」笹川平和財団、国際情報ネットワーク分析 IINA、2020年7月
  • 「複合的問題としての人の移動――安全保障問題との交差」『シノドス』2020年7月
  • 「東地中海の天然ガス開発〜地政学的競争とエネルギー開発競争の連鎖〜」『中東動向分析』Vol. 19, No. 3、2020年6月
  • 「中東情勢と日本のエネルギー安全保障」『Security Studies 安全保障研究』2-2巻、2020年6月
  • 「ジハード主義を読む(9)アフリカにおけるISの動向」『治安フォーラム』26巻7号、2020年6月
  • “Challenges for Japan in Integrating the Middle East and Africa into the Free and Open Indo-Pacific Strategy/Vision,” the Changing Security Environment in the Middle East and the Role of the U.S. – Japan Cooperation, JIME Center- the Institute of Energy Economics, Japan, April 2020.
  • 「リビア――各国の介入で分裂が続く」『外交』Vol.60, 2020年3月
  • 「2019年のアフリカにおける政治・治安動向」『年鑑 海外事情2020』拓殖大学海外事情研究所、2020年3月
  • 「ジハード主義を読む(8)バグダーディー殺害以降のISの動向」『治安フォーラム』26巻4号、2020年3月
  • 「流動化が進む北アフリカの政治情勢」『海外事情』67巻6号、2019年11月
  • 「世界の主要産油国と日本の輸入原油(13)リビア」『ペトロテック』42巻、2019年8月
  • 「『インド太平洋構想』と中東・アフリカ地域」『中東動向分析』Vol. 18, No. 4、2019年7月
  • 「『リビア国民軍』のトリポリ進軍によって緊迫するリビア情勢」『中東動向分析』Vol. 18, No. 2、2019年5月
  • 「2018年のアフリカにおける政治・治安動向」『年鑑 海外事情2019』拓殖大学海外事情研究所、2019年3月
  • 「中東・アフリカからの非正規移動とEUの外交・安全保障政策」『国際安全保障』46巻4号、2019年3月
  • 「リビアを中心とした北アフリカ地域の治安・テロ動向」『インテリジェンス・レポート』123号、2018年12月
  • 「リビアのエネルギーをめぐる政治動向:産油量回復の一方で高まる治安リスク」『中東協力センターニュース』43巻9号、2018年12月
  • 「中東諸国の対アフリカ戦略と変化する地域安全保障:『カタル危機」以降の動向に焦点を当てて」『中東動向分析』Vol. 17, No. 6、2018年10月
  • 「『断片化』するリビア情勢と大統領・議会選挙:選挙は実施可能か、安定をもたらすのか」『中東研究』533号、2018年9月
  • 「リビアにおける『非統治空間』をめぐる問題とハイブリッド・ガバナンスの可能性」『KEIO SFC Journal』Vol. 18, No. 1、2018年9月
  • 「リビアにおける『非統治空間』の発生:交錯する過激主義組織と人口移動」『反グローバリズム再考‐国際経済秩序を揺るがす危機要因の研究:グローバルリスク研究会』日本国際問題研究所、2018年4月
  • 「リビアの政治動向:国内和平の停滞がもたらすISの再台頭と石油生産の不安定化」『中東動向分析』Vol. 16, No. 7、2017年11月
  • 「政変後リビアの石油資源をめぐる政治動向」『中東動向分析』Vol. 15, No. 11、2017年3月
  • 「移民の『経由地』と『目的地』としてのリビア:内戦後の情勢流動化が与えた影響」『中東研究』528号、2017年1月
  • Amane Kobayashi, and Guy Caruso, "Middle East and North Africa Political Risk Assessment: Implications of Sustained Low Oil Prices", RW Political Risk Newsletter, Vol.12, Issue 1, Robert Wray PLLC, March 2016.
  • 「不安定化の『連鎖』:リビアから『イスラーム国』への戦闘員流出」『中東研究』522号、2015年1月
  • 「リビアにおけるイスラーム主義組織展開の歴史的背景」『中東研究』517号、2013年6月
  • 「新生リビアの国民議会選挙と今後の展望」『中東研究』515号、2012年10月
講演・研究発表
  • 「リビア紛争の要因と展望:東部洪水から見えるもの」日本イスラム協会、公開講演会、2023年11月21日
  • 「急変する中東情勢とエネルギー安全保障への影響:石油危機から50年を経て」平和・安全保障研究所、月例セミナー、2023年11月21日
  • “Energy and the Middle East” 東洋大学 GINOS Green Forum、2023年10月12日
  • 「米国の中東政策の失敗と中露の思惑~」笹川平和財団、第4回IINA公開フォーラム、2023年7月14日(パネリスト)
  • 「混迷するスーダン情勢と国際社会の対応」日本エネルギー経済研究所中東研究センター、情勢分析報告会、2023年5月26日
  • 「中東のエネルギー地政学」グローバルガバナンス学会第16回研究大会「エネルギー(と/の)地政学:ウクライナ危機のインパクト」、2023年5月14日(司会・報告)
  • 「2021年リビア国政選挙の分析:なぜ選挙は計画され、延期されたのか」日本中東学会第38回年次大会、2022年5月15日
  • 「分断と統合の狭間で:リビア国民の政治意識分析」日本中東学会第36回年次大会、2020年8月29日
  • 「激化する地中海の天然ガス開発競争」日本エネルギー経済研究所中東研究センター、情勢分析報告会、2020年5月21日
  • 「中東情勢と日本のエネルギー安全保障」鹿島平和研究所、安全保障外交政策研究会、2020年4月14日
  • 「プラットフォームとしてのイスラーム教育機関―リビアにおける世界イスラーム・ダアワ協会の役割」、NIHU現代中東地域研究・次世代共同研究、2020年2月8日
  • 「北アフリカにおける移民・難民をめぐる問題~出身地・目的地・経由地~」日本国際問題研究所、グローバルリスク研究会、2019年12月6日
  • “Incentives for Stalemate: Challenges of Political Stabilization in Post-Civil War Libya,” Middle Eastern and Islamic Studies in Japan: The State of the Art (No.13), Japan Center for Middle Eastern Studies, November 29, 2019, Beirut, Lebanon.
  • 「リビアにおけるウラマー知識人とイスラーム教育機関:カッザーフィー政権下での役割」NIHU現代中東地域研究・次世代共同研究「現代ムスリム知識人の地域横断ネットワークに関する研究」、2019年11月17日
  • 「日本にとっての米・イラン対立―危機か、機会か」日本エネルギー経済研究所中東研究センター、国際シンポジウム、2019年11月12日
  • 「中東情勢の変動とテクノロジー:アラブの春からISまで」地域デザイン学会e-Democracyフォーラム、2019年10月14日
  • 「サウジアラビア・UAE・エジプトの紅海地域への関与」日本国際問題研究所、グローバルリスク研究会、2019年7月5日
  • “Middle East and Africa in the Indo-Pacific Strategy,” Economic Statecraft in the Indo-Pacific, Tama University Center for Rule-making Strategies, May 28, 2019, Tokyo, Japan.
  • 「中東諸国のアフリカにおける『国際協力』と変化する地域安全保障:『カタル危機』以降の動向に焦点を当てて」グローバル・ガバナンス学会第12回研究大会、2019年5月12日
  • 「リビアへの諸外国の関与と地域情勢への影響:『限定的関与』が妨げる安定化」日本エネルギー経済研究所中東研究センター、情勢分析報告会、2019年3月11日
  • 「断片化する国家、揺らぐ国境:リビアにおける非国家暴力主体の活動」日本国際安全保障学会2018年度年次大会、2018年12月2日
  • 「GCC 諸国の対アフリカ戦略と地域安全保障への影響」日本エネルギー経済研究所中東研究センター、国際シンポジウム、2018年11月28日
  • “Regional Intervention to Post-conflict Libya and its Consequences: Who are Supporting Whom for What?” Korean Association of Middle East Studies, October 13, 2018, Seoul, South Korea.
  • “Power Struggle and Political Marginalization in the Post-conflict Libya: Multi-dimensional Fights,” International Political Science Association (IPSA), July 24, 2018, Brisbane, Australia.
  • 「リビア内戦から7年:断片化する国家機構と『戦争経済』の拡大」NIHU現代中東地域研究AA研拠点、政治変動研究会、2018年7月7日
  • 「なぜ内戦後のリビアは安定しないのか:移行政府の『正統性』への着目」日本中東学会第34回年次大会、2018年5月13日
  • 「リビア周辺地域における『非統治空間』の発生と非国家暴力主体の越境活動」新学術領域研究「グローバル関係学」若手研究者報告会、2018年2月4日
  • 「回復し始めたリビアの石油生産:可能性・リスク・課題」日本エネルギー経済研究所中東研究センター、情勢分析報告会、2018年1月17日
  • “Japan’s Counter-Terrorism Policy and the MENA: Daesh’s Threats and Current Policy Trends,” Arab-Japanese Academic Dialogue, September 23, 2017, Cairo, Egypt.
  • 「なぜ彼らはリビアを目指すのか:移民の経由地、過激派の訓練拠点」日本国際問題研究所、グローバルリスク研究会、2017年9月15日
  • “Libyan Civil War and Its Impacts to the Regional Governance in North Africa,” Fifth Global International Studies Conference, March 31 – April 4, 2017, Taipei, Taiwan.