OPEC総会の記録 2002年

第119回OPEC総会(2002年3月15日)


English

オーストリアのウィーンで開催された第119回OPEC総会は、以下のような声明を採択して閉幕した。

  1. OPECはアンゴラ、エジプト、メキシコ、オマーン、シリア、ロシアの総会への出席を歓迎する。また、これまでのアンゴラ、メキシコ、ノルウェー、オマーン、ロシアによる減産協力に感謝する。またこれらの国が、市場安定化というOPECの目的に貢献したと認識している。
  2. OPEC事務局長、経済委員会、閣僚監視小委員会の報告、また市場の不確実性、第2四半期の需要が季節的に低いことを考慮して、加盟国は2002年6月30日まで現在の生産枠を維持し、完全に遵守することを表明する。また市場安定を維持するために、非OPEC産油・輸出国に対して引き続き協力を求める。
  3. 市場の動向を見極めるため、6月26日(水)にウィーンで臨時総会を開催する。
  4. 次回定例総会は、2002年9月18日(水)に、ウィーンで開催する。

訳者注:約半年ぶりにOPECバスケット価格が22ドルを超えるという情勢下で開催されたが、イラクでの軍事的緊張や世界の経済動向が不透明であることなどから、減産体制を維持した。


第120回OPEC総会(2002年6月26日)


English

 オーストリアのウィーンで開催された第120回OPEC総会は、以下のような声明を採択して閉幕した。

  1. OPECが非OPEC諸国の協力を得て2001 - 2002年にかけて減産を行った結果、市場のバランスは回復してきたものの、価格が比較的強気に推移しているのは市場のファンダメンタルズだけによるものではなく、むしろ(中東)政治情勢によるものである。
  2. 世界経済の回復に対して疑念が持たれること、2002年の石油需要成長が不確かであること、現在の在庫水準が十分であることに鑑み、OPECは現行生産枠を2002年9月末まで継続する。
  3. OPECは引き続き市況を注視し、市場の安定に必要と思われればいかなる措置もとる。
  4. 価格のボラティリティーを最小化し、市場の安定を維持するために、非OPECに対し引き続きOPECへの協力を呼びかける。
  5. OPECと非OPECの効果的協力を促進するための専門家作業部会が6月20日に開催され、その成果に満足している。
  6. 2002年7月1日から2003年12月31日までSilvaベネズエラ石油相がOPEC事務局長に就任する。
  7. 次回定例総会は、2002年9月18日(水)に開催する。

 今回の総会においては、既に開会前にOPEC内で現行生産枠の据置きとSilva石油相の事務局長就任に関してコンセンサスが得られていた。焦点となっていた減産期間は、下半期の需要拡大には引き続き懸念が残るとしながらも、需要期である第IV四半期を控え、しばらく様子を見るとの意味合いから、最も妥当と思われる9月末までということで落ち着いた。


第121回OPEC総会(2002年9月19日)

 

English

 大阪で開催された第121回OPEC総会は、以下のような声明を採択して閉幕した。

  1. 第4四半期に通常みられる季節的な石油需要の伸びは存在するものの、世界経済の伸びは2002年末まで非常に緩やかなものにとどまると見込まれる。
  2. 市場の安定性を維持するために、生産水準をこれまでどおり維持することで合意した。この関連で、合意を順守することの重要性を全加盟国が強調した。
  3. OPECは市場を引き続き注視し、価格を$22/bと$28/bの間に維持するために必要な措置を取る。
  4. 市場の動向を見極めるため、12月12日(木)にウィーンで臨時総会を開催する。
  5. 2003年1月からの議長として、カタルのアル・アティーヤ・エネルギー相を選出した。
  6. 次回定例総会は、2003年3月11日(火)に、ウィーンで開催する。


訳者注:今総会前にはベネズエラ、クウェートをはじめ多くの加盟国が、生産枠据え置きの意思を繰り返し鮮明にしていた。逆に、公式に増枠を主張していた国は皆無であり、増枠を目指していたとみられるサウジアラビアも、結局、加盟国多数派の意思を尊重して、OPECの結束を最優先させる途を選んだといえる。

第122回OPEC総会(2002年12月12日)


English

 オーストリアのウィーンで開催された第122回OPEC総会は、以下のような声明を採択して閉幕した。

  1. ベネズエラ政府と市民に対し、現在の不幸な騒乱状態が速やかに、友好的かつ平和に解決することを望む。OPEC各国には、必要な際に、ベネズエラ国営石油会社PdVSAの国内外への炭化水素の供給を支援する用意がある。
  2. 2003年の石油需給見通し、季節的な変動など石油市場の情勢を検討し、比較的堅調な最近の石油市況が政治情勢を一部反映したものであると認識するとともに、2003年1月からOPEC 10カ国の実際の生産量を新たな生産上限2300万b/dとすることを決定した。これは、プライスバンド・メカニズムを維持し、プライスバンド内に価格を維持することが目的である。また、総会はメンバー各国に対しこの新たな生産水準を厳格に遵守することをあらためて求める。
  3. OPECはマーケットを継続的かつ注意深くモニターし、必要と判断した場合は、マーケットの安定を維持するためにあらゆる措置をとる。
  4. OPECは他の産油国、輸出国に対し、生産国、消費国双方の利益のためにOPECとの協力を継続することを引き続き求める。
  5. 次回OPEC総会は2003年3月11日(火)に、ウィーンで開催する。

 


2001年11月合意産油量

増産量

増産後産油量

 サウジアラビア

7,053

423

7,476

 クウェート

1,741

104

1,845

 UAE

1,894

113

2,007

 カタル

562

34

596

 ベネズエラ

2,497

150

2,647

 ナイジェリア

1,787

107

1,894

 インドネシア

1,125

67

1,192

 リビア

1,162

70

1,232

 アルジェリア

693

42

735

 イラン

3,186

191

3,377

OPEC10カ国計

21,700

1,300

23,000

(単位:1,000b/d)

(四捨五入などのため、誤差が生じることがある)

訳者注:各国の生産量が生産枠を大幅に上回る事態が続き、今総会では生産枠を引き上げた上で加盟国に新生産枠の遵守を求めるという、「実質減産」の合意となった。



(仮訳)
財団法人 中東経済研究所