中東経済研究所 情勢分析 (2000年11月24日Vol.2, No.15)
アゼルバイジャン:AIOCが2001年出資計画を発表
アゼルバイジャン国際操業会社(AIOC)は10月末、2001年の出資計画を6.29億ドルと発表した。このうち4.11億ドルがAzeri-Chirag-Guneshliブロックの全面開発第1フェーズに向けられる。第1フェーズの実施については正式には2001年8月の政府認可を経て承認されることになっているが、すでに9月に政府とAIOCとの間で当ブロックの生産、輸出計画の相互合意がなされている。
今後議論の的になってくるのは、その原油をどのルートで輸出するかである。アゼルバイジャン政府はAIOCにバクー・ジェイハン・パイプラインへのコミットを望んでいるが、AIOCは同ルート建設のための基本FS実施合意 (10月)を済ませた後も、既存のバクー・スプサ・ライン、バクー・ノボロシースク・ラインの拡充への関心を繰り返し表明している。AIOCのDavid Woodward社長 (BP出身)は、「とにかく2004年までに信頼できる輸出用ルートを確立すべきである」と述べ、バクーからジェイハンに続くトルコ・ルートに固執しない旨を強調している。
同社長によると2000年の支出見通しは、当初計画3.21億ドルを下回る2.49億ドルになるとしている。現段階でAIOCは1994年以来アゼルバイジャンに22億ドルを投資している。(山本)