中東経済研究所 情勢分析 (2000年11月24日Vol.2, No.15)
オマーン:Gulfstreamが2001年10月からガス生産開始へ
カナダのGulfstream Resourcesは10月、第30鉱区でガスのドリリングを開始した。Haines社長が10月25日のオマーンエネルギー部門開発会議で述べたところによると、2001年10月の生産開始を目指す。Gulfstreamとオマーン石油ガス省は6月、Gulfstreamがオマーン政府に天然ガスを25年間供給することで契約を交わした。これはオマーンでは民間会社と政府の初めてのガス売買契約である。
現在の第30鉱区は、かつて放棄された隣接する2つの鉱区が統合された鉱区で、これらはともに1980年代に原油の開発が行われたがガスしか出なかったということで失望され、放棄された鉱区である。第30鉱区の東部では1985年に2カ所 (Hafar-1, Nadir-1)でガスが発見されたが、この地は起伏が多く、地震探鉱データも十分でなく、また国内ガス消費が当時は少なく、ガス・インフラ整備に多大な資金が必要であったため、放棄される結果となった。また西半分の区域についても、1986年にal-Sahwa-1でガスが発見されたが、同様の理由で放棄された。
今後はGulfstreamの開発計画の下で、広範囲にわたって新規に二次元地震調査を行い、その結果の下で現存する3本のガス井に5本を補完して8本 (Hafar 4本、al-Sahwa 2本、Nadir 2本)に拡張する予定である。そこで産出したガスはHafar近くの精製プラントに送られる。プラントは初期には平均で8400万m3/dのガスと250b/dのコンデンセートを生産する。現在第30鉱区の確認埋蔵量は2660億cfとされているが、Gulfstreamは将来的には6000億cfにまで拡大したいとしている。(山本)