(速報、2000.06.06)
サウジ国営通信(SPA)は6月4日午後、サウード王家が「第1回家族会議」を開いたことを伝えた。ファハド国王が主宰する会議であるが当人は出席せず、出席したのはアブダッラー皇太子(議長)、スルターン国防相(副議長)、以下16人の王族であった。皇太子,国防相を含めた内訳は、王家直系が10人、傍系が8人であった。
会議では,家族の問題に関するファハド国王からの指示が皇太子から告げられ、また、皇太子からの指示も告げられた。
家族会議は指示に沿って物事を進めるのに必要な規則と手順の案を検討し、適切な決定がなされた、とのみ報じられたが、詳細は明らかにされなかった。家族会議を開くこと自体は決して珍しいことではないが、過去に表面化した王族会議は王位継承を協議するためのもので参加者の人数も多かった。今回開かれた会議は参加者が限定されており、かつ「第1回」であるということは、過去に開かれた家族会議の延長線上にあるものではないことを示唆するため、何が協議されたのか関心を集めている。
(以上SPA, 16:35 GMT, 2000.06.04)
サウード家の家族会議に出席したあとエジプトの紅海沿岸保養地ハルガダ(Hurghada)に戻ったタラール・ビン・アブドゥル・アジーズ王子に、カタル系のアル・ジャズィーラ・テレビ(al-Jazeerah TV)が6月5日、電話でインタービューした。インタビューの内容は5日午後に放映された。
以下はその仮訳である。
●質問:この会議の目的はなんですか。どんな権限を持つのでしょうか?
■答え(王子):案件の規模と性格は誇張されるべきでない。これは厳密に家族会議であり、国家の問題とは全く関係がない。これは王家の会議である。報道されたように、家長はファハド・ビン・アブドゥル・アジーズ王であり、会議の議長はアブダッラー・ビン・アブドゥル・アジーズ王子(皇太子)である。
●質問:お話をさえぎって申し訳ありません。この動きは王国における情勢に影響を与える決定を下す権限をより多くの王子たちに与えることを目的としているのかもしれないと報じられています。しかし、殿下(あなた)は、政治とは全く関係がないとおっしゃるのですね。
■答え:そうだ。これは全く政治と関係がない。この点は保証する。これは祝福された第一歩であり、サウジに居る全ての人は、我々は王国であり、王族会議が必要であることを認識しなければならない。当然のこととして、サウジ全土で各家族に会議がある。従って、サウジ市民にとって政治から完全に切り離された家族会議を持つことは全く新しいことではないのだ。
●質問:我々は、今回の会議を、特別で暫定的な状況に関連した暫定的会議とみなすことはできますか?あるいはそれは恒久会議ですか?
■答え:これは恒久的な会議であり、暫定会議ではない。基本法(基本原則)が定められ、いくつかの小委員会が、家族会議を運営するために必要な規則やメカニズムを具体化する任務を負った。
●質問:殿下が語る祝福された一歩とは、サウジアラビアにおける一層の透明性を意味するのですか?
■答え:この会議には、他の諸会議の前例があるということを確認したい。特に国家によって結成された最高経済委員会や石油委員会などだ。透明性は、政府または家族の政治,社会、金融にかかわらず、あらゆる面で求められている。我々はサウジ人の誇りある一部であり、その会議を通じて家族の問題を知る権利がある。
●質問:ありがとうございました。
(以上al-Jazeerah TV, 12:30 GMT, 2000.06.05)
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